もう、どこかでご覧になっているかもしれないが、衝撃の映像だ。レーシング会場のスタンド前、高速で走り抜けるフォーミュラカーに背を向けて立っている坊主頭の男が轢かれる直前にバック宙でひらりとかわす――車はその下を走り抜け、男はすっくと立っている。
6・6秒のタイミングに合わせて跳び上がり
映像はレース用電気自動車で争われる「FIAフォーミュラE選手権」のプロモーションだ。同じフォーミュラカーでも、轟音が売り物のF1とは違って、電気自動車はほとんど音がしない。男はどうやって後ろから近付くのを感知したのか。ウェンツ瑛士(タレント)がクイズで聞く。「彼はジャンプを成功させるためにあるものを見ていました。それはなんでしょう」
菊地幸夫(弁護士)が「鏡」と答えたが違った。メーキング映像には車は脇を走り抜けたり、着地に失敗して寝転がるシーンがある。その画面に映ったのは大きなタイマーだった。スタートポイントからバック転の場所までの到達時間は6.6秒。タイミングが遅ければはねられるし、早すぎれば車体上に落下してしまう。何度も何度も車が脇を走りながらタイミングを合わせていくのだが、完璧に合わせるのに2日かかったという。そして本番、見事に成功したというわけだ。
映画「007」出演のベテランスタントマン
バック宙の男性はダミアン・ウォルターズというプロのスタントマンで、映画「007」シリーズにも出演しているベテランだ。撮影はメキシコシティのレーシング会場で行われた。
司会の加藤浩次「なんでこんなことするんかねえ」
ウェンツ「車の方も正確に6.6秒で到達しないといけないわけです」
近藤春菜キャスター「そっちもプロですよね。必ずピタリと跳んでくれると思わないと突っ込めない」
加藤「加減してもダメだからねえ」
運転していたのも仲間のスタントマンだった。その車載カメラの映像もあった。広角レンズだから、跳ぶのははるか彼方に見えるが、スタントマンはまるで鳥のように車を越えて行った。ようやるわ。