「通勤ラッシュを直撃しました。東京メトロ銀座線でレールが折れているのが見つかり、運転を見合わせ10万人に影響が出ました。先月(2016年4月)の点検では異常がなかったといっています。なぜレールが折れたのでしょうか」
司会の夏目三久が伝えた。きのう9日(2016年5月)午前8時ごろ、渋谷駅で機械が異常を検知した。調べたところ、渋谷駅構内の車庫に向かうポイント付近でレール(幅64センチ、高さ13.8センチ)が折れていた。約2センチの隙間があり、片側はレール1つ分ずれていた。レール交換のため、渋谷―溜池天王間が約5時間運転見合わせた。
衝撃・摩耗激しい切り替えポイント
折れた部分は09年に設置され、先月18日の超音波検査では異常が見られなかった。鉄道に詳しい工学院大学の高木亮准教授は「レールは金属でできているので、温度が下がると収縮しようとします。レールが切れると隙間が空くというトラブルは冬には時折発生しています。この時期にこういうことがあったのはちょっと珍しいことかなと思います」という。
今回は線路を切り替えるポイント部分だが、この部分ならではの特徴が原因のひとつだと指摘する。「衝撃などが非常に強くかかりやすいところなので、普通の区間とはレールの材質なども多少違うものを使っていたりするので、検査がしにくい面もあります」
東西線でもレールに亀裂
ポイント部分は衝撃や摩耗軽減のために通常より硬めの材質が使われている。半面、傷などの発見が難しいという。高木准教授は「検査をまちがいなくやっている分には、普通は問題は起きないはずです。何か特別なことがあったのか、あるいいは検査自体がきちんと行われていなかったのか、チェックしてみる必要があると思います」と語る。
東京メトロでは今月(2016年5月)6日にも東西線でレールに亀裂が入り、運転を見合わせたことから、全線でポイント点検を実施するとしている。