今年(2016年)2月27日、東京・台東区のマンションで41歳の女性が首を絞められて死亡していた事件で、警視庁はきのう5月8日、女性の長女の高校1年生(15)を殺人容疑で逮捕した。長女は「母が息をしていない」と119番していた。争った形跡はなかったが、司法解剖で首に巻かれていたタオルで絞め殺されたとわかった。タオルからは長女のDNAが検出された。調べに対し、長女は黙秘しているという。
極端に違う娘の評判
事件発覚時、長女は「母親は前夜から体調が悪いとソファに横になり、翌朝も寝たままだった。朝、学校に行き、午後1時半頃帰って声をかけても反応がなかった。夕飯も作らずおかしいと思った」と話していた。長女は4月から高校へ進学していた。
どんな親子関係だったのか。近所の住民らの話などを総合すると、一家は父親との3人暮らしだったが、父親は出張が多く事件当日も不在だった。母親は教育熱心で、長女は小学校から私立の学校に通っていた。明るい子だったという一方で、「挨拶してもプーンとした愛想のない子だった」という。当初、父親は「妻が殺された。犯人は分からない」と話していたが、逮捕の数日前には「娘に弁護士をつける」と言っていた。
一家が以前に住んでいたところでは、長女が大泣きをしていたため児童相談所へ通報されたことがあった。相談所が調べて「虐待はない」とされたが、母親が娘に「お前なんかいらない」などといっていたという話もあった。これが2008年で、長女はまだ7歳だった。
愛情を愛情として受け止められない「母娘関係」
司会の加藤浩次「妻が殺され、娘が逮捕。お父さんの気持ちはどんなでしょうね」
山本由樹(「DRESS」編集長)「『母という病』というベストセラーに、母子関係のトラウマを大人になっても引きずっている例が出ています。親の期待に応えようとする真面目な子が多いのですが、母親の愛情を子供は愛情と受け止めるとは限らないんです」
高橋真麻(フリーアナウンサー)「辛かったとしても、殺す以外に方法はなかったのですかね。相談する人がいなかったのかなあ」
加藤「事件当日は学校へ行っているんですよね。119番もしている。準備していたようにも見えます」
橋本五郎(読売新聞特別編集委員)「積もり積もったものがあったのかもしれないですね。それを相談する相手がいなかった」
父親がその受け手になれなかったのか。娘は何も話していない。