アメリカのある母子の感動話が取り上げられた。バージニ州に住むクリストファー・ハックリー君(12)は目の神経が未発達な状態で生まれる先天性の視神経形成不全で、ほとんど物が見えない。母親のマキータさん(32)は「息子が生後3か月の時に目の異常に気づいたんです。医師からは難病で治療できないと言われました」と話す。
それでも、幼い時から点字はもちろん、障害にも負けずいろんなことにチャレンジしてきた。「息子はこれまで不満を口にしたことはありません。もちろんできないこともありますが、何とかして自分のやりたいことを実現させてきたんです」
カメラ映像を特別なソフトウェアで変換
クリストファー君が最もやりたいことは「いつもそばにいてくれるお母さんの顔をみたいということ」だった。マキータさんも「息子に私が見えたらどんなにいいか、ずっと思ってきました」と語る。そんなとき、ある特殊な眼鏡を知った。カナダのメーカーが開発した視力障害者用のハイテク眼鏡「eSight」だった。眼鏡に装着されているカメラが撮影したものを特別なソフトウェアで微弱な視力でも認識できる映像に変換し、その映像を眼鏡の内側のレンズに映し出すというものだ。
「この眼鏡のことを聞いたときは半信半疑でした。医師から視力を治すことはできないと言われ続けてきたこともあり、一度試してみようと思ったのです」と母親は語る。
そして先月、「eSight」を試すことになった。クリストファー君はまだ見ぬ母に焦点が定まらず、検査技師などに「もう少し顎を上げて」などと指示を受ける。すると、「髪の毛が見えた」。今度は母親が息子の顎に手を当てて優しく促す。すると、「あっ、お母さんだ。見えた!」
1台150万円。アメリカ・カナダでは600万人が利用
司会の小倉智昭「いい話ですけど、ただ、ある程度視力がないと叶わないということなんでしょう」
中瀬ゆかり(「新潮社」出版部長)「こういう機械ってもっともっと軽量化されて安くなって普及していったら素晴らしいと思います」
小倉「西橋君、この眼鏡、高いものなんですか」
ニューヨーク支局からレポートを送った西橋麻衣子記者が報告する。「定価は150万円と高額です。今回は募金を募ってお母さんは購入できたそうですが、微弱でも視力があれば有効ということで、北米では600万人が利用しているそうです」
ビレッジマン