一人暮らしの68歳の男性が家の中で転倒して腰を骨折、動けなくなっているのを、飼い犬が吠えて知らせて発見されるという話が千葉市であった。駆けつけた警察官も「アンビリーバボー」という。きのう5日(2016年5月)、人命救助のご褒美にドッグフードの大袋をもらったが、悠然と寝そべったままだった。
8歳の雑種メス「ちーちゃん」お巡りさんを先導
千葉市に住む横島敏雄さん(68)は先週26日(2016年4月)午後、ベッドで腰を強打して意識も朦朧となり、ベッドに半分這い上がった格好のまま動けなくなった。電話のところにも行けない。そのとき家にいたのは飼い犬の「ちーちゃん」だけ。8歳のメスの雑種で、体長約1メートルと大型だが、極めておとなしい。リードをつけて家の外で飼われているが、中へ入れるように庭に面したガラス戸は細めに開けてあった。
横島さんの異変を感じ取ったのか、「ちーちゃん」はリードをつけたまま道路に出て、約100メートル離れた人通りの多い交差点で吠え続けていた。通りかかった女性と父親が保護して警察に通報し、千葉北署宮野木交番の助川智英巡査部長が駆けつけた。
すると、ちーちゃんは先導して3人を自宅まで連れて行き、玄関にうずくまった。開いていたドアから声をかけると、うめき声がしたので中に入り横島さんを発見した。「人の声が聞こえて、あの瞬間に助けられたと思いました。まさか犬が人を連れてくるとは思わなかった。賢い犬です」と話しながら涙を流した。
もともと捨て犬だった。横島さんが拾ってきて育てていたが、近所の人の話では、横島さんが酔っている時などは近所に来てそれとなく様子を知らせるような風があるという。体は大きいがおとなしく、ちゃんと家に戻っていくのだそうだ。