介護施設が手を焼く「高齢認知症の性欲」男も女もまだまだ枯れない
先週は週刊朝日のラブホが高齢者で賑わっているという記事を紹介したが、今週は「介護現場の新たな問題 高齢者の『自慰』」という特集を組んでいる。週刊現代や週刊ポストとは違った切り口で「高齢者の性の問題」を扱おうという企画だが、意外といっては失礼だが、切実なだけに読ませる。
北日本の特別養護老人ホームで、70代後半の男性入居者の入浴を20代の男性ヘルパーが手伝っていた。認知症だが足腰はしっかりしていて、浴室の手すりを頼りに自力で湯船に入れるという。体を洗うのを手伝い男性を立たせたままヘルパーが桶を取りにいくと、男性が手すりにつかまり片手で陰部を触っていた。しかも勃起している。ヘルパーが注意してもやめず、目が血走り右手を動かし続けたというのである。
当然だが女性にもある。元施設長の47歳の男性は、施設を見回っているときに70代の女性に「父ちゃん」と抱きつかれたことがあるという。スタッフを見ると興奮して自分の陰部を触る女性もいたそうだ。この程度なら退所させることはないというが、70代の男性で、女性ヘルパーが車イスからベッドへ移すたびにヘルパーのお尻や胸を強く触り、注意しても直らないので退所してもらったという。
日本家族計画協会では2013年に「この1ヶ月間に、マスターベーションしたか」という質問に対して、60代の男性は45・0%、女性は13・8%が「した」と答えた。まさに「死ぬまでSEX」だが、自慰行為で男性は冠状動脈の硬化のために起こる心筋梗塞、女性は脳出血で死亡するケースがままあるというのである。腹上死ならともかく、マスターべーションで死んでいるところを人に見られるのは一生の不覚だろう。
困ったことに、認知症になると性衝動の抑制が利かなくなるというのだ。<「認知症になると、前頭葉の機能低下でそれまで抑制できていたことを、『おおっぴら』にする(脱抑制)。さらに社会的認知の障害が起きて周囲を気にしなくなると、ダイレクトに事に及ぶ。廊下や風呂など公の場で自慰をしたり、俺の陰部を見ろと言ったり」(浴風会病院の精神科医須貝佑一氏)>
では若い頃から性欲が強い人がそうなるかというと、そうでもないという。<「認知症は前の性格が強調されるといわれている一方、まったく違う性格になることもある。若い頃から性行為を控えればいいかといえば、そうではないのです」(須貝氏)>
困ったものだが、そうしたことを知った家族はもっと動揺するだろう。それを「自慰ショック」というそうだが、笑えないな。
【蛇足】
花田紀凱さんが「ワック」を離れて創った「月刊Hanada」6月号が出た。同じ6月号の「WiLL」と比べると表紙はソックリである。「出版人・広告人」編集長の今井照容氏はこういっている。
<連載を除いた部分を比べてみるならば、こう言っては失礼だが、花田紀凱と立林昭彦という編集長の力量の差がモロに出てしまっている。「月刊Hanada」に軍配を上げざるを得ないのだ。立林は編集長としてマジメ過ぎるのだろう。新生「WiLL」は「雑」を欠いてしまっているのである>
「WiLL」のウリは「豊かな国の、こころ貧しき人々 曾野綾子・渡部昇一」「北朝鮮暴走ミサイルに金正恩『斬首作戦』石原慎太郎・能勢伸之」
「月刊Hanada」のほうは「TBSの『重大犯罪』小川榮太郎」「古舘伊知郎とは何だったのか 寺崎友芳」
西尾幹二、櫻井よしこはどちらにも載っている。私にはどちらがどう違うのかまったく分からないが、こうした雑誌が2誌ともに生き残れるとはとても思えないのだが。