舛添要一・東京都知事の公金の使い方が荒いと批判が出ている。海外出張の費用が高すぎる、週末のほとんどを公用車で神奈川・湯河原の別荘に出かけるなどだ。知事は「ルール通りで何の問題もない」しているが、都民は納得するか。
海外出張は1泊20万円のホテル
海外出張は知事就任後2年間で8回出かけていて、総費用は2億1305万円、1回の平均が2663万円だ。一流ホテルのスイートもあり、21泊のうち10泊は15万円以上だった。石原慎太郎元知事は11年間で28回、4億6652万円、平均1666万円だ。石原も「豪華出張」と批判されたが、それより平均で1000万円も高い。
出張の多くは2020年の東京五輪がらみで、知事は「必要なものは必要。より効率的な体制にして経費の削減に努めたい」という。宿泊費は条例で都市ごとに上限が決められており、ロシアのソチだと2万6900円、パリ・ロンドンは4万200円だが、舛添知事はロンドンでは1泊19万8000円のホテルに泊まっていた。「要人の訪問を受けるためにも、格式ある部屋が必要」としている。
猪瀬直樹前知事は「スイートは必要ない。向こうを訪問するのであって、訪ねてくることはない。緊急の連絡体制が取れるホテルなら普通の部屋でいい」という。このほか、空港の貴賓室を3回借りており、これが約165万円。理由はセキュリティーとスムーズな出入国のためというが、石原・猪瀬時代にはなかった。随行者もビジネス・クラス、スイートというのもあって、批判を受けている。
別荘からも指揮・連絡取れる態勢になっている
もう一つは公用車の私的利用だ。知事が事務所を兼ねているという神奈川県湯河原町の別荘まで、この1年間に48回、ほぼ毎週末に公用車で行っていた。片道100キロ、1時間半。普通にハイヤーを使うと8万円の距離だという。「忙しいから、静かで仕事ができる事務所として使っている。遊びではない。ルール通りで問題はない」と今後も続けるという。
知事が毎週末、東京を離れていていいのかという危機管理上の問題も指摘されている。「海外出張、福島などどこに行っても危機管理はできる体制にしてある。どこにいても指揮が取れる」と、災害時でも大丈夫だという。
これに、元宮城県知事の浅野史郎氏が失敗談を披露した。2005年8月の宮城県沖地震が起きた時、公務でブラジルのサンパウロにいた。急きょ帰国したが、1日経っていた。「仙台空港に着いたら、なんで今ごろ来たんだ、遅いとさんざん叱責された。何をおいてもすぐ行くのは鉄則だなと思いました」と話す。
司会の加藤浩次「公用車は公務の場所からは認められるから、ルール上問題はないというのですが・・・」
春香クリスティーン(タレント)「ルールはともかく、金銭感覚が違うなと思っちゃいますね。元ウルグアイの世界一貧しい大統領を思い出してしまう」
宇野常寛(評論家)「バブルの頃の文化人のセンスだな。恥かきたくないから豪華にするというのは、今のクリエイティブ感覚からずれている」
加藤「擁護するわけじゃありませんが、スイートといっても大した金額じゃない」
坂口孝則(経営評論家)「要人と会っていたかどうか調べたらいい。まあ、随員まで豪華な部屋に泊まることはないですよ」
宇野「湯河原にいるというのは、何かあった時に対応できる体制を取っていればいいんじゃないかなあ」
坂口「大量の行政文書を持ち出すのはどうなのか」
加藤「知事としてずっといなければならないというのも厳しい話だしね」
石原なんか毎日は登庁していなかった。代わりを猪瀬が副知事でやっていた。要は体制づくりかも。