隅田川河口が震源だった安政江戸地震
それでも、東京の中心部に推定断層と呼ばれる隠れた地震断層の存在があることがわかっている。日本活断層学会の豊蔵勇元副会長は散歩をしていて違和感のある地盤、地震データ、マンションやビルの工事関係者からの地盤データなどで、東京都心の8~9か所に推定断層を見つけた。
防衛省近くの市谷推定断層、東京ドームのある飯田橋推定断層、南側に迎賓館のある九段推定断層、皇居・二重橋にかかる推定断層、銀座推定断層、築地推定断層、浅草推定断層、勝鬨橋推定断層、月島推定断層で、いずれも南北に断層が走っているという。
ボーリング調査で確認ができないため推定でしかないが、島村教授は「地表に割れ目が見えているのだけを活断層と言っており、これらも地震断層である可能性が高いですね」という。1855年の安政江戸地震は「内陸で起きた地震では最大の被害を出しており、古文書から見ると、隅田川の河口が震源地でした。首都圏の下は活断層がいっぱいあるんです」(島村教授)
青木理(元共同通信記者)「南海トラフ地震や首都圏直下型地震が起こる確率は30年以内に70%といわれています。見えない活断層を含め、日本中どこにいても地震に襲われる恐れがあることを考え生活するしかないですよ」
文
モンブラン