きのう25日(2016年4月)、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムをエンブレム委員会が発表した。4つの候補のうち、選ばれたのはA案になっていた「組市松紋」だった。宮田亮平委員長は「シンプルで良い」「日本の伝統の『粋』を感じる」といった意見が多数だったと語った。
紺色の形の異なる3種類の四角形を組み合わせ、一見すると家紋のような作りだ。「TOKYO 2020」の文字も同じ色。五輪・パラリンピックのシンボルマークだけは5色で書かれている。市松は江戸時代の歌舞伎役者、佐野川市松が碁盤目状の格子柄を着たことから「市松模様」と言われるようになった。その四角を組み合わせて「多様性と調和」を描いたという。
選考委員会では圧倒的支持
街で聞いてみると、「わ~すごい。私たちにぴったんこ」という年配のご婦人。「シンプル」「和な感じ」という若い人。「斬新な感じ」「独創的」という外国人観光客もあれば、「一番ないかなと思っていた」「可愛いけど地味」「印象に残らない」という若い人たちもいた。
デザインしたは野老(ところ)朝雄さんは、坊主頭にメガネ、あごひげで発表会見に登場した。東京造形大学で建築を専攻し、模様を使った作品で注目されている。名古屋のビルのガラスや大阪地下街の床の模様、料亭の暖簾まで活躍は幅広い。この「市松」は「長く時間をかけて作図したものです」という。「僕はアスリートにはなれないが、金メダルを作ることに関われるんじゃないかという憧れはありました」。メダルにはエンブレムが刻まれる。
昨年7月の「エンブレム騒動」で、いったん決まった佐野研二郎さんの作品が白紙撤回され、今度は1万4599点もの公募作品から選ばれた。選考委員は21人で、最終の投票結果は、A案13票、B案1票、C案2票、D案5票と、圧倒的大差でA案が1回の投票で決まった。
選考委員の杉山愛「物足りなそうで、見ているうちに味わい」
選考委員だった「スッキリ!!」コメンテーターの杉山愛(元プロテニスプレーヤー)が舞台裏を明かした。杉山愛も「A案に入れた」という。「でも、会場に着くまでずっと悩んでいました。最初見た時の市松はスポーツのイベントには物足りない感じがしたんですが、見ているうちに味わいが出てきて、これは素敵だと感じました」
ロバート・キャンベル(東京大教授)「よく見ると、左右対称じゃなくて、手作りなんですよね。すごく面白い」
司会の加藤浩次「春菜はずっとこれがいいと言ってたよね」
近藤春菜キャスター「そうなんですよ。クールでシンプルだけど味わいがあって、かっこいい」
ウェンツ瑛士(タレント)「一番シンプルでかっこいいです。日本でデザインしたと一番分かるのはA案」
加藤「1色ですから、Tシャツを作る時は安く作れます」