2020年の東京五輪・パラリンピックのエンブレムがきのう25日(2016年4月)に正式に決まった。約1万5000点の一般公募作品の中から最終候補に残っていた4案のうち、「組市松紋」が選ばれた。日本伝統の藍と市松模様の四角形を組み合わせた作品だ。
司会の夏目三久「最終選考でどのように決まったのか、4万人の国民の声はどのように反映されたのか。舞台裏について聞いてみました」
委員の一人王貞治氏「責任を持って選ぼう」
投票したエンブレム委員会の田中里沙さん(宣伝会議副社長兼編集室長)が話す。「冒頭、みなさんからいただいた意見を披露していただき、約40分間フリーディスカッションが続きました。世界の中で日本がどう見られているか、外国人の意見も反映しました」
重要視したのはデザインの類似性の問題だった。田中さんは「お気に入りがいくつかありましたが、商標登録の関係でダメになったのもあります」と打ち明ける。
投票の前に委員1人ひとりが1分間の意見を表明した。「(王貞治さんは)みんなで責任を持って選ぼうとおっしゃって。私は2020年に向けてみんなが明るい気分で気持ちが盛り上がるようなものがいいなと思いました。最後に各委員には投票用紙が配られ、A、B、C、Dを選択して記入し、2つ折りにして投票箱に入れました」(田中さん)
下馬評では一番の不人気
夏目「蓋を開けてみると、ちょっと意外だったような気がします。このスタジオではA案がいいという声がなかったので」
牧嶋博子(TBS解説室長)「A案と決まって、はじめはびっくりしましたが、説明を聞きますと納得しました」
パトリック・ハーラン(タレント)「外国人に好まれるデザインですね。派手なものより、洗練されたシックでシンプルな作品です」
新エンブレムの制作者のアーティストの野老(ところ)朝雄さん(46)は、「とても長く時間をかけて作図しました。わが子のような作品です」と述べ、デザインに込めたメッセージについては、「多様性と調和」と「つながる輪」を意識し、力強い形にしたかったと語っている。