全国でも最悪の場所に建つ「川内原発」それでも免震重要棟建設しない九州電力の安全ないがしろ

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書き込んだヤツ探し出して逮捕しろ!悪質過ぎる地震デマ「朝鮮人が井戸に毒を入れた」

   週刊文春は、震災報道でNHKが稚拙だという批判があり、テレビ朝日「報道ステーション」の富川悠太アナの株は上昇したと書いている。たしかに、NHK地方局の新米アナなのだろう、「家が傾いています」「道路が陥没しています」程度の、見ればわかることしかいえない現地ルポにイライラしたことは事実だ。

   富川アナは災害現場からの中継に慣れているから、「水を得た魚」のようにこなしていた。それに比べて、今春からTBS「NEWS23」のキャスターになった星浩氏の評価は低い。<「星さんの取材は、赤ちゃんが救出された家屋の前に佇んでいただけ。行政への問題提起など、はっきりした切り口はなく、最後に活断層について地元の首長と話したことや原発立地の問題を、その映像はないまま『報告』して終わり」(立教大学服部孝章名誉教授)>で、精彩を欠いていたと手厳しい。

   NHKについていえば、熊本出身の武田真一アナはよかった。NHKスペシャルでの冒頭「熊本県は私のふるさとです。家族や親戚、たくさんの友人がいます。(中略)また今夜も明かりのない夜を迎えることを思いますと胸が締め付けられます」と話したことで、大きな感動を呼んだ。

   週刊新潮は現地ルポを中心に、被災地で暮らしている女性タレントについても取り上げている。阿蘇の麓で暮らしていた井上晴美(41)は、最初の地震で自宅が住めるような状況ではなくなって、近くの友人宅の庭でテントを張って泊まっていた。そこへ本震が来て自宅は全壊。今は何とか空いている旅館を見つけて、そこの7畳で親子5人が生活しているという。

   週刊新潮も取り上げているが、ツィッターなどを使った悪質なデマが飛び交ったのにはうんざりした。「地震のせいでうちの近くの動物園からライオンが放たれたんだ」という程度ならまだ許せるかもしれないが、「熊本の朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだぞ」に至っては、これを書き込んだ奴を明らかにして、悪質なひぼう中傷罪で逮捕するべきである。

   気になる地震保険についても週刊新潮は触れている。<現在、保険金額1000万円の場合、熊本県の保険料は木造で1万600円、鉄筋は6500円。これに対し、東京都は木造で3万2600円、鉄筋で2万200円となる>

   金額は年額である。熊本県の地震保険の加入率は28・5%で、全国平均とほぼ同じだという。だが、1000万円では満額もらえたとしても当座の暮らしに消えていくだけだろう。熊本地震が激甚災害に指定されれば、それなりの補償はあるのだろうが、安倍首相はなぜか渋っている。それは北海道補選前に被害を大きく見せたくないからではないかと、ネットでは批判されているが、そう思われても致し方あるまい。

   安倍首相の地元・山口県で起きた豪雨で死者・行方不明者4人、全壊家屋49棟だったが、すぐに激甚災害に指定した。今回のほうがはるかに被害が大きいのにいまだに激甚災害指定しないのはなぜなのか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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