「被災地視察」行きたがった安倍首相!直前に本震きて慌てて中止
今回の大地震で専門家たちが口を揃えていうのは「南海トラフ地震」が起きる可能性についてだ。南海トラフとはフィリピン海プレートとユーラシアプレートの間に位置し、地震を引き起こすエネルギーの貯蔵庫として知られ、90~150年の周期で大地震が起きている。地震予知が専門の長尾年恭教授は、今年(2016年)4月1日に起きた紀伊半島沖の地震(マグニチュード6・1)が南海トラフの東端で、熊本地震は西の端にあたるという。「後世の人は、(今回の熊本地震を=筆者注)南海トラフ地震の予兆だったと述べることになるのではないでしょうか」(長尾教授)>
現在、南海トラフ地震は30年以内に起きると予測されているが、起きたら被害規模は想像もできないほど巨大になる。<「死亡者は四十七~五十万人と推計されています」(立命館大学歴史都市防災研究所の佐藤比呂志教授)>
ところで、14日の地震が起きた後に、安倍首相は被災地を視察すると言いだした。16日の早朝6時出発という日程が組まれたが、当日未明の本震が起きて出発3時間前に中止になったそうだ。
もし行っていれば、警備や何やかやで1000人規模の人員が動くことになり、被災地にとっては、菅直人首相(当時)が福島第一原発事故直後、現地を視察したときと同様、大きな非難を浴びたであろう。安倍首相は来週24日に投開票される衆院北海道5区の補選が気になり、そちらへ応援に行きたくてならないのだが、被災地視察より先にするわけにもいかず、官邸は頭を悩ませているという。