熊本地震は「揺れが続くことで、大丈夫だと見られていた建物が次々と倒壊するという事態が起きました」と伊東敏恵キャスターが伝える。14日(2016年4月)の震度7の前震では倒壊を免れた家屋も、16日の本震で次々と崩れ落ちた。
なぜ被害は拡大したのか。建物への地震の影響に詳しい愛媛大の森伸一郎・准教授は地震直後に震源地の益城町に調査に入った。森准教授が注目したのは、柱や梁のつなぎ目(接合部)で、接合部が完全に抜けてしまっているものが目に付いた。前震で倒壊を免れても、建物内部では柱や梁のつなぎ目が緩み致命的なダメージを受け、そこに本震の揺れが襲い一気に倒壊した。
耐震設計・建築は1度の大きな揺れしか想定せず
建物の耐震は1度の大きな揺れしか想定していない。今後は連鎖的な揺れも想定する必要があると森准教授は言う。「人間に疲労がたまるように、震度6弱以上の地震を何回受けたかで、構造物の体力は落ちていくと思います」
これからも、さほど強い地震でなくても崩壊する家屋が出るかもしれない。