熊本地震で車中泊で避難していた熊本市の女性(51)がエコノミークラス症候群(肺塞栓症)で死亡した。16日(2016年4月)未明の地震で屋根が壊れ、自宅敷地に駐車していたワゴン車で家族と寝泊まりしていた。18日朝に車から降りるとバタリと倒れ、病院へ運ばれたが死亡が確認された。女性は特別な持病はなかったといい、近所の人は「家の人はぼう然として、落ち込んでいました」と話す。
「車中泊」増加!家にも避難所にもいられない
エコノミークラス症候群は、同じ姿勢を続けることで足の血液が悪くなり、血栓(血のかたまり)ができて、これが肺に到達して肺の血管を塞ぐ。呼吸困難や胸の痛みなどの症状が出て命を失うこともある。JNNの調べでは20日朝現在、熊本県内で少なくとも23人が罹っているという。
竹内薫(サイエンス作家)「これは非常に危険なんです。過去の大きな地震でも起きています。防ぐ方法は水分をまめにとって、運動することです。問題はトイレです。トイレ事情がよくないので、我慢しようと水をとらないようになりがちです。でも、トイレにはちゃんと行っていただきたいですね」
避難所に来ても、夜は車で寝る人が多い。「建物の屋根が落ちてくるのではないかと怖い」「避難所は人が大勢なのでストレスがたまる」と一様に語る。避難所ではエコノミークラス症候群のチェックや治療をするところも出てきた。厚生労働省はホームページで予防のための足の運動などを図説している。
熊本県地方ではきのう19日も震度5強の地震があった。活発な地震活動はまだ続く。
文
一ツ石