「京大防災研」感知していた熊本の地殻変動!3か所で別々の地震が起こった

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   気象庁は熊本地震は震源が複雑に移動しており、観測史上例がない地震だと発表した。橋本徹夫・地震予知情報課長は「3か所で別々の地震が発生している。今までの経験則で物を言うのは厳しい。複雑なことが起こっていることを示唆しているのかもしれない」と指摘した。

GPS使って毎日ミリ単位で観測

   14日(2016年4月)の前震から4日間の震源の動きをみると、前震は益城町の真下の布田川断層帯で起きた横ずれだった。翌15日午前0時3分に熊本市から40キロ離れた八代市でマグニチュード6・4、最大震度6強。16日午前1時25分に布田川断層帯M7・3、最大震度6強。16日午前7時11分に熊本市から100キロ離れた大分県中部でM 5・3、最大震度5弱と、震源地が移動した。

   京都大学防災研究所の橋本学教授は移動する震源地をこう分析する。「一つの断層が動くと両端に力が加わり、その力を解消するために周りの断層がまた動くという繰り返しが連鎖することが考えられます」

   京都大防災研はGPS調査で熊本地震に関係あると見られる地殻変動を確認していた。GPS調査は全国1300地点の地殻変動を毎日ミリ単位で調査しているもので、阪神・淡路大震災後に導入された。

四国・佐田岬から大阪にかけてエネルギー蓄積

   このシステムを使って昨年2月から1年間に九州地方の地殻がどう動いたか調べたところ、長崎・福岡方向から日奈久断層帯へ向けて右下へ大きく動いていた。逆に、大分・宮崎方向から布田川断層帯に向けて左上に大きく地殻が変動し、二つの断層帯にぶつかっていることが分かった。橋本教授は「このぶつかる場所でエネルギーが蓄積され、地震が起きたと考えられます。ただ、残念ながら、このデータは地震予知に持ち込むまでには至っていない」という。

   さらに、橋本教授は「四国の佐田岬から大阪湾に走る中央構造線断層帯の南側は地殻変動が大きいのに、北側の瀬戸内海沿岸は極端に変動が少ないんです。ここにエネルギーが蓄積されていると考えられます」という。ちょうど四国電力の伊方原発があるあたりだ。

   司会の羽鳥慎一「なんとか研究を進めてデータを生かしてほしいし、地震予知できる日が来るかもしれませんね」

   これに気象予報士でもある石原良純(タレント)が言下に否定した。「(地震予知できる日は)はっきり言って来ないと思いますね。実地の検証を繰り返すなかで予知技術が高まるわけで、何十年、何百年単位のものを予知できるとは思えない」

   このGPS調査でおかしな場所をさらに地上からの精査を進めれば、危険が迫っている個所は分かるかもしれない。問題はその危険が襲うのはいつなのかということなのだろう。あすかもしれないし100年先かもしれないということだ。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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