四国・佐田岬から大阪にかけてエネルギー蓄積
このシステムを使って昨年2月から1年間に九州地方の地殻がどう動いたか調べたところ、長崎・福岡方向から日奈久断層帯へ向けて右下へ大きく動いていた。逆に、大分・宮崎方向から布田川断層帯に向けて左上に大きく地殻が変動し、二つの断層帯にぶつかっていることが分かった。橋本教授は「このぶつかる場所でエネルギーが蓄積され、地震が起きたと考えられます。ただ、残念ながら、このデータは地震予知に持ち込むまでには至っていない」という。
さらに、橋本教授は「四国の佐田岬から大阪湾に走る中央構造線断層帯の南側は地殻変動が大きいのに、北側の瀬戸内海沿岸は極端に変動が少ないんです。ここにエネルギーが蓄積されていると考えられます」という。ちょうど四国電力の伊方原発があるあたりだ。
司会の羽鳥慎一「なんとか研究を進めてデータを生かしてほしいし、地震予知できる日が来るかもしれませんね」
これに気象予報士でもある石原良純(タレント)が言下に否定した。「(地震予知できる日は)はっきり言って来ないと思いますね。実地の検証を繰り返すなかで予知技術が高まるわけで、何十年、何百年単位のものを予知できるとは思えない」
このGPS調査でおかしな場所をさらに地上からの精査を進めれば、危険が迫っている個所は分かるかもしれない。問題はその危険が襲うのはいつなのかということなのだろう。あすかもしれないし100年先かもしれないということだ。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト