52年間平日お昼に放送してきた東海テレビ制作のドラマ枠が、土曜深夜の「オトナの土ドラ」として生まれ変わって、その第1弾である。元裁判官の家の隣に、自らが無罪判決を下した一家殺人事件の元被告が引っ越してきて、不吉な騒動が始まる。
ユースケ・サンタマリアが死刑を求刑されながら無罪になった『武内さん』役である。武内さんは実は殺しているのではという疑念を持ちながら、でも義理の父・勲(伊武雅刀)が下した判決を信じて接する嫁・梶間雪見(優香)の目線で物語は進む。
周囲で頻発する謎の急死や失踪
昼ドラの東海テレビのドロドロ路線は、時間帯が変わっても健在である。武内さんは趣味で大掛かりな機材でバウムクーヘンを焼くのだが、このときの目と無言がなんとも不気味なのだ。「新・牡丹と薔薇」などのハードギャグを制作してきた東海テレビのことだから、狙っているところなのだろう。
第1話では、無罪判決の恩返し」ということなのか、武内さんは義母の介護に疲れた勲の妻・尋恵(朝加真由美)をねぎらい、しまいには家に上がり込んで手伝う。しかし、義母は食事を喉に詰まらせて死んでしまう。
第2話でも、尋恵をいびっていた小姑(大島蓉子)が失踪し、ドラ息子・俊郎(大倉孝二)をクビにした会社社長も失踪して、なにやら奇妙な形で面倒が解決する。裏で武内さんが何か仕掛けているのか。