バラハタなんて、聞いたこともない名前の魚が東京・築地市場を揺さぶった。有毒魚なのを高級魚と間違えて売ってしまったのだが、きのう13日(2016年4月)夜になって勝ったのは都内の中華料理店とわかったが、すでに6人の客に出してしまっていた。今のところ中毒症状はないというが、なんでそんなことになったのか。
高級魚スジアラと思い込み
おととい朝8時半頃、市場を検査で巡回していた都職員が仲卸店でバラハタとみられる魚を見つけた。店員は「スジアラだと思う」と説明したが、都職員は写真に撮り事務所に戻ってバラハタと確認した。急いで店に知らせに走ったが、すでにスジアラとして売ってしまっていた。
バラハタはハタ科の魚で、エサとしているプランクトンに含まれるシガテラ毒が筋肉や内臓に蓄積して、食べると中毒を引き起こす。築地市場では扱わないよう指導している。似た外見のスジアラはキロ5000~1万円という高級魚で、このバラハタも1・2キロを4200円で売られていた。
厚生労働省によると、築地市場でシガテラ毒による中毒は2010年までの20年間に78件報告されているが、バラハタが16件と一番多い。症状は吐き気や下痢のほか、神経系に作用するので体が冷えた感じも出る。筋肉や関節の痛みが半年から1年続くこともある。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト