実家放火で兄焼死、自宅に発火装置!相続争いの果てに61歳弟の異常行動

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   遺産相続めぐる骨肉の争いの果てに、寝たきりの兄が住む実家に放火し、自宅にも発火装置を仕掛けるという異常な事件があった。東京・葛飾区で9日(2016年4月)未明に民家で火災が発生し、重度の身体障害で寝たきりの一人住まいの男性(61)が亡くなった。

   警察が焼死した男性の弟の長尾伸二容疑者(58)から事情を聞いたところ、「自分が火を付けた」と認め、自分が住む川崎市内の団地自宅にも発火装置を仕掛けたといいだした。警察と消防が団地の住民210世帯を避難させ、長尾の部屋を調べたところ、発火装置があって、室内にはガスが充満し、ガソリン入りの20リットル入り携行缶や灯油が置かれていた。発火装置はドアを開けると火が付く仕掛けになっていたという。

親の死をきっかけに「俺にも財産譲れ!」

   団地の住民は「排水管を通じて洗面台からガソリンの臭いがした」と言い、発火していたらドアが吹き飛び、周りの部屋にも延焼したと見られる。警察は長尾を現住建造物等放火未遂の疑いで逮捕した。長尾は「自分の存在を消したかった」と意味不明の供述をしている。

   長尾と長年付き合いのある知人によると、先天性脳性麻痺の兄の面倒ばかりを見る両親に不満を抱いていたという。高校を卒業すると実家を出て行ったが、30年前に父親が亡くなると実家をたびたび訪れては「財産を譲れ」と要求し、兄が「譲るつもりはない」と断る争いが続いていた。4年前に母親も死去している。

遺産相続めぐる家裁調停・審判急増

   遺産相続をめぐる親族の争いは増加していて、家庭裁判所の遺産相続の調停・審判件数は、12年は1万5286件とこの10年で1.4倍になっている。

   コメンテーターの菅野朋子弁護士「遺産相続をめぐる争いは、法的、形式的にできるものではなく、弁護士の仕事のなかで一番精神的にハードで辛い仕事なんです。難しいのは現実に住んでいる不動産しかないケースで、現金がないので遺産として分割しようがないんです」

   青木理(ジャーナリスト)は「たった2人の兄弟だからもう少し何とかならなかったかなと思う」と話していたが、今回のケースは、兄が重度の障害のために家裁に調停を申し込むことすら困難だったようだ。

文   モンブラン
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