リオ五輪でメダル間違いなしといわれていたバドミントンの桃田賢斗選手(21)と田児賢一選手(26)が、東京都内の違法カジノに出入りして大金を賭けていたことが露見し、代表推薦対象から外されることになった。
桃田はきのう7日(2016年4月)の世界連盟発表のランキングで2位、田児は長く日本チャンピオンだった。2人は国際大会でマレーシアにいたが、事件の発覚を受けて帰国した。所属するNTT東日本の聴取を受けているが、カジノ通いを認めている。
おととし警視庁が摘発!暴力団がバック
2人が通っていた墨田区内にあるこのカジノは昨年4月に警視庁に摘発され、現在は閉店しているが、元従業員によると、おととしの暮れ頃、田児が来るようになり、のちに桃田が一緒に来るようになったという。練習帰りなのか、ジャージ姿でラケットを持っていたこともあった。また、他に何人か選手を連れてくることもあった。
田児は多い時は1日に何度も、桃田は週に2、3回というペースだったという。数十万円~百万円単位で賭けて、「負けは桃田選手で4か月に数百万円、 田児選手は1000万円くらいになったのではないか」という。
バドミントンは国際的にはマイナーなスポーツだが、実は賞金が出る。桃田は去年は4月243万円、5月649万円、9月94万円、12月865万円と獲得し、今月(2016年4月)に優勝した大会まで1年半で2139万9519円にもなる。他にも、昨年12月に制覇したスーパーシリーズでは1000万円を得た。このとき、桃田選は「派手な生活をして、子供が憧れてくれたらいい」とバカなことを言っていた。
桃田は香川県生まれ。小学2年生のときからバドミントンを始め、中学校はバドミントンの育成に力を入れている福島・富岡町へ進んだ。12年に18歳で世界ジュニア選手権で優勝した。ネット際の「ヘアピン」と言われる妙技で知られる。その桃田を目標としていたのが田児だった。08年から全日本6連覇、12年のロンドン五輪代表で、日本のバドミントン界をリードしてきた。新旧のエースが違法カジノというわけだ。
日本バドミントン協会「リオ五輪代表推薦しない」
リオ五輪の代表は各競技団体が日本オリンピック委員会に推薦して5月に決まるが、日本バドミントン協会の銭谷欽治専務理事は「(2人は)推薦できないですね。残念です」と涙ぐんだ。馳浩文科相は「何のためにスポーツをしているのか、改めて自身問い直してほしい」と厳しかった。
桃田はかつて「スッキリ!!」に出演したときに、座右の銘として「努力は嘘をつかない」をあげていた。司会の加藤浩次は仏頂面で「残念ですね。努力してランキング2位にまでなったのに、それが全部台なしですからね」
武井壮(プロアスリート)「賞金ももらって半分プロみたいなもので、オリンピックの強化費もあるわけです。契約スポンサーもある。そのジャージを着てラケットを持って、そんなところに行っただけでアウトですよ。チャンスも潰し、強化費も無駄になって、アスリートへの投資にブレーキがかかると、後進に影響します。罪は深い」
正論だ。加藤は「これで終わりじゃない。頑張ってほしい」といったが、惜しいと思うと同時に、「バカモン」と言いたくなる。