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福島原発「国会事故調」黒川清委員長の警鐘「この国はまた同じ過ちを繰り返す」

   先日、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(通称国会事故調)の委員長で、東大名誉教授の黒川清さんと話す機会があった。彼は先日、「規制の虜」(講談社)を上梓して、この国のリーダーたちは「志が低く、責任感がなく、大局観をもたず、身を賭してもという覚悟もない」と、日本の中枢が『メルトダウン』していると難じている。

   今週の週刊現代で黒川さんインタビューをやっているので紹介しよう。<国会事故調は、法律で設置が決まる唯一の「独立調査委員会」でした。国会が政府へのチェック機能を果たすための組織で、このような独立した調査委員会が立ち上げられたのは、日本の憲政史上初のことです。もっとも、独立した調査委員会がそれまで機能してこなかったことが日本のおかしなところで、世界の常識から外れているのですが――。(中略)その一連の調査から浮かび上がったのは、電力事業者である東電に対し、監督すべき立場にあった経産省の外局機関「原子力安全・保安院」が、本来のチェック機能を果たさないばかりか、むしろ東電の利益のために機能するようになっていたという事実でした。(中略)そうして、本来規制される側のはずの電力会社が発言力を強め、規制する側はその理屈に合わせることしかしてこなかった。その結果、「日本の原発ではシビア・アクシデント(過酷事故)は起こらない」という虚構がまかり通ることになった。「原子力ムラ」がのさばる、日本の異常な原発政策はこうして生まれたのです>

   黒川さんは日本の裁判所も三権分立の機能を果たしていないと厳しく批判している。<福島第一原発事故以来、すべての原発が停止していましたが、15年8月に川内原発が再稼働をしましたね。川内原発をめぐっては、九州電力が、事故が起こった際の緊急対策拠点となる「免震重要棟」の建設計画を、再稼働後に撤回したことが問題になっています。この免震重要棟はどれだけ大切かというと、原発事故当時東電社長だった清水正孝氏が、「福島第一原発事故の際に重要免震棟がなかったらと思うと、ゾッとする」と答えたほどです。ところが九電は「免震重要棟を新設するよりも、現在ある代替施設に加えて新たな支援施設を建設するほうが、早く安全性を向上できる」という理屈をとっています。さらに再稼働の適否を審査中の玄海原発すら、免震重要棟の新設計画を見直すと開き直っているのです>

   日本のエリートたちはなぜ責任をとろうとしないのか。<日本は「単線路線のエリート」が多いのが問題なのです。大半の日本人は、大学を出て企業や役所に就職すると、ずっとその組織に所属し続け、年功序列で出世することが当然だと考えます。

   たとえば経産省に入省すれば、省内もしくは外局組織に所属しながら、入省年次によって昇進していく。近年は省庁間の人事交流も多少ありますが、「本籍」は変わらない。企業の場合でも同様です。(中略)そして「単線路線」において出世するためには、「何もしない」ことが最も重要になってきます。(中略)

   原発行政においても、原発推進という「国策」に反するような意見を、規制当局の職員が言えるはずもありません。その結果、正しいチェック機能が働かず、日本の原発は安全対策が不十分なまま「3・11」を迎えてしまった。原発事故は、まさに人災だったのです。(中略)司法、立法、行政、これらすべてにおいて、この病は蔓延しているんです。それは原発だけでなく、「一票の格差」のような問題でも起こっています。司法は「違憲判決」を避け、国会も、たとえば国会事故調のような独立した委員会で検討することをせず及び腰。誰が見てもおかしな問題が、いつまでも改善されずに残っていくのです。そしてその結果に、誰も責任を取ろうともしない。(中略)

   福島原発事故は、まだ終わっていません。「規制の虜」という問題を反省しなければ、この国は同じ過ちを繰り返してしまうでしょう。いまこそ、国民一人ひとりが強く意識すべきだと考えています>

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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