花見でにぎわう東京・上野公園で外国人観光客を相手にお布施を要求する男たちがいる。黄土色の袈裟を羽織り、一見僧侶に見えるが、いったい何者なのか。
「ブレスレットを引き換えに寄付してくれといわれ、1人ずつ2000円払った」という外国人の2人連れもいれば、「金色のカードに1000円払った」という人もいる。なかには「モノを受け取ってといわれ、1万円を払えといわれたよ」という法外な話もある。
僧侶もお札もすべてニセモノ
男たちが配っていたカードやブレスレットについて、仏教に詳しい如意輪寺住職の木内堯大博士に聞くと、「通常はお寺の名前が書いてあります。これは特定できないようになっています。お土産品でよくあるモノです」と即座に見破られた。
上野公園事務所によると、数年前から僧侶姿の男たちが出没し、被害が後を絶たないという。警備員の間では『ニセ僧侶』と呼んでいるそうだ。周辺を調べてみると、彼らは中国、台湾、ブータン出身と名乗る。取材スタッフが2人の男を追うと、上野公園から秋葉原に向かい、私服に着替え、若者風のファッションで出てきた。路上で煙草を吸って、ドラッグストアに立ち寄り、牛丼チェーン店に入った。
公衆トイレで袈裟姿に着替え
おととい3日(2016年4月)午前9時過ぎには、男たちが上野に現れ、公衆トイレで袈裟姿を着て公園に行き、外国人から金を受け取った。1人に直撃すると「中国の寧波の寧海寺の僧侶」と答える。さらに聞こうとしたが、何も言わずに逃げるように去った。ネットで調べてみると、寧海寺という寺は存在していなかった。
司会の夏目三久「外国人観光客を狙った詐欺行為を繰り返しているとみられています。人の善意に付け込んで悪質な行為です」