安倍内閣は日本を訪れる外国人観光客を倍増させる新たな計画を発表した。東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年までに外国人観光客の目標を現在の年間2000万人から4000万人に引き上げ、落とすカネも8兆円と倍増させるとしている。さらに30年には6000万人、15兆円を目指すという。
「朝刊一面丸わかり」コーナーでこの読売新聞の記事を紹介していたが、そんな受け入れ態勢はあるのか。安倍首相も「観光先進国への新たな国づくりに万全の対策を講じていく」とぶち上げている。
桜の京都「バス・電車超満員」「道歩くのもままならない」
コメンテーターの竹内薫(サイエンス作家)「(目標数の引き上げは)観光立国としては良いことだと思いますが、テロリストはここを狙ってくる。とくに東京五輪・パラリンピックでは、ハイテク、ローテクを駆使して万全の安全策にしたうえで観光客の皆さんに来てもらうことが重要ですね」
テロリストも怖いが、観光スポットが狭い地域に密集している京都では、桜が見ごろを迎えて外国人観光客が溢れ、歩くのもままならない状態だ。主要交通機関のバスや電車は超満員で「気分が悪くなりそうだ」だと、京都の住人は悲鳴を上げている。
ホテルや旅館の予約は取れず、予約争奪戦は滋賀県など周辺地域に移っているという。受け入れる人気観光地は住民の生活が脅かされるほどすでに飽和状態で、単なる目標の引き上げだけでは机上の空理・空論に思えてくる。
文
モンブラン