16年ぶりにJRA(日本中央競馬会)に誕生した女性騎手・藤田菜七子さん(18)の記念すべき初勝利のゼッケンが盗まれたが、51歳の男が母親に付き添われておととい28日(2016年3月)に警察に出頭した。母親は「いい歳をしてばか者が」と呆れる。まったくその通り。
フジテレビの映像にバッチリ写ってた
藤田の初勝利は24日の浦和競馬場第3レースだった。2馬身差で勝った。デビュー36戦目だった。ところが、記念のゼッケンが消えてしまった。競馬場からの連絡で浦和署が捜査をしていたところ、横浜市の職業不詳の男がゼッケンを持って出頭してきて、関係者以外の立ち入り禁止区域に入った「建造物侵入容疑」で逮捕された。窃盗容疑でも調べる。
レース当日にフジテレビが撮影した映像をチェックしたところ、不審な動きをする男が写っていた。勝利した藤田騎手を中心に記念撮影している前を、ポロシャツ姿の男が横切る。ポロシャツは競馬場の厩務員が着ているものだが、半袖でこのシーズンには異様だが、誰も気づかない。男はそのまま記念撮影する公式カメラマンの脇に中腰になって、自分も撮影をしていた。
ゼッケンは馬の背に掛けて観客に番号を見せるもので、かなり大きい。中央競馬の大レースの勝利だと博物館に飾られたりもするが、地方の浦和競馬の場合は馬名は入っておらず、洗って使い回しをするためレースが終わると体重を測る検量室前で外して所定の場所に置く決まりになっている。
男はそこでゼッケンを取り上げ、まだ興奮状態の藤田に「浦和競馬場の記念品として管理することになりました」とうそを言ってサインをさせた。男は図々しくもゼッケンを手に藤田と並んで記念撮影をしていた。検量室のスタッフがサインをしているところを見ていたが、何の疑いも持たなかったという。
男が着ていたポロシャツには川崎競馬場の名前入りの本物で、川崎競馬場で警備員をしていた時、「外では着ない」という条件で譲ってもらったものだった。