埼玉・朝霞市の自宅近くで行方不明になり2年ぶりに保護された女子中学生(15)の誘拐・監禁の経緯が徐々にわかってきた。寺内樺風容疑者(23)に連れ去られたときの様子などについて、女子生徒は「(寺内容疑者から)『お父さんとお母さんが離婚するので弁護士さんに合わせる』と声を掛けられ、車に乗ったら目隠しをされた。(『さがさないで』など)親に当てたメモや手紙は車の中で男に書かされた。途中で寝てしまってどこに行ったか分からなくなった」と話している。
最初に連れて行かれたのは千葉市稲毛区の3階建てアパートの3階角部屋だった。6畳の和室と洋室に台所、風呂場、トイレがある。女子生徒は「普段、男が出かける時は外からカギを掛けられ出られなかった」という。
千葉大は寺内樺風の卒業取り消し検討
寺内の知人は「毎日カーテンを閉めっぱなしとは感じていました。あんな身近なところに監禁していたとは思いもよりませんし、またそんなことをするような感じの人ではなかった」と話す。寺内は大阪池田市の出身で、地元の国立大付属中学・高校を卒業。千葉大工学部情報画像学科でデータ解析を学び、6日前に卒業式があった。千葉大は「ごく普通の学生で、礼儀の正しい学生だった」と話す。卒業資格の取り消しも検討もするという。
女子生徒はインターネットで両親が自分を捜していることを知った。「チラシを配ったりして、一生懸命捜しているのを知って逃げ出そうと決意した」という。ゲストの神奈川県警元刑事の小川泰平氏は、両親と女子生徒に会ったという。「どの部屋に監禁されていたのかなどはまだ話していないが、恐怖心が強くあったように思います。母親の話では、非常に警戒心が強く、100%でなく120%の確率がなければ、一かパチか勝負するような子ではなかったようですね」と話す。
父親は「この2年間をどうやって取り戻していこうかというのはあるんですが、まずは家に戻って、行方不明前の日常生活を取り戻してあげたい」と話す。