2年前(2014年)の3月10日、埼玉県朝霞市で行方を絶った女子中学生(当時13歳)がきのう27日(2016年3月)、東京・東中野から自宅と警察に電話をかけてきて保護された。
「知らない男に連れ去られた」と話しており、男を指名手配(未成年者誘拐容疑)していたところ、けさ28日未明、静岡県伊東市内で血だらけで歩いているところを身柄確保された。容疑が固まり次第逮捕する。
手紙偽装?「家も学校も休みたい」「探さないで」
男は職業不詳の寺内樺風(23)で、女子生徒を車で連れ去り2年間監禁状態においていたとみられる。東中野の住居はマンション1階の1Kの部屋で、最近引っ越してきたというが、近所の住人は男も女子生徒も見たことがなかったという。
女子生徒は男が出かけた隙に部屋を抜け出し、近くのJR東中野駅構内の公衆電話から母親に電話してきた。母親は場所を確認し、警察にも電話するように指示した。女子生徒はまだ受話器を持っているうちに、駆け付けた警察官に保護された。女子生徒はダウンコートにジャージ姿で、所持品は中学校の生徒手帳と現金170円だけだった。午後、埼玉・新座署で母親と2年ぶりに対面した。
警察は直ちにマンションの部屋を捜索し、男を特定して指名手配し、静岡県警が伊東市内を歩いているところを身柄確保した。「血だらけで歩いている男がいる」という110番通報からだった。血だらけの経緯は不明。手当てを受けているが、命に別条はないという。
女子中学生は現在15歳。誘拐当時は1年生で今春に卒業するはずだった。下校して自宅前で若い男と話している姿を目撃されたのを最後に、消息を絶った。自宅の郵便受けから「家も学校も休みたい。しばらくは友達の家です。探さないで」というメモが見つかり、さらに9日後に「元気にしているよ。迷惑かけてごめんなさい」という封書(埼玉県上尾市消印)が届いた。女子生徒は「自宅前から車に乗せられた」「監視されて逃げ出せなかった」と話しているという。