原節子「生涯一度の恋」は脚本家・清島長利・・・大女優との恋愛許さんと東宝追放
小話をいくつか紹介しよう。週刊文春は昨年9月に亡くなった原節子の「生涯一度の恋」の相手が特定できたと報じている。3月28日(2016年)に発売される「原節子の真実」(新潮社)の著者、ノンフィクション作家の石井妙子氏が、その相手は小津安二郎監督ではなく、脚本家の清島長利だったというのだ。
清島は原より7歳上で、東京大美学を出て東宝の前身であるPCLに助監督として入社した。彼と原との間は昔から映画関係者の間で語られてきたという。だが、清島はその話を完全否定したまま昭和50年に亡くなっている。ところが、あるとき石井のもとに、清島と一緒に働いていたことがある女性から手紙が届いた。清島は原という大スターと恋仲になったために会社の逆鱗に触れ、松竹に移籍させられてしまったというのだ。
ある機会があったとき、彼女は清島に「原さんの恋人だったって本当?」と聞いたことがあるという。笑って答えなかったが、原節子と別れた後、富士山に登ってくるといい残して家にしばらく帰らないことがあって、姉が心配して警察に捜索願を出したことが新聞記事になった。手帳に挟んでいたその新聞記事を彼女に見せたという。
清島は結婚したが、その息子が父に原との関係を聞いたとき、「若かった頃のことだからね」と答えたと証言している。大女優と脚本家の恋。仲を裂いた映画会社。大昔の映画華やかなりしころの悲恋だったのだろうか。
先日、『WiLL』編集長の花田紀凱さん(73)が親会社「ワック」を離れて飛鳥新社へ移るということを書いた。週刊新潮はこの移籍を「無謀」で業界がビックリしていると報じている。『WILL』は一貫して保守論陣を張る雑誌として発行され、この雑誌不況下でも刷り部数は10万部前後を維持しているという。ワックの関係者がこう話す。<「社長が年齢も考慮して花田さんに『一線を退いて編集主幹の肩書きでは』と打診したところ、あくまで現場にこだわる彼が怒り出してしまった結果、こうなったのです。なぜか彼はWiLLを編集部ごともらえると思い違いし、飛鳥新社と交渉を進めてしまった」>
花田さんの名刺には「NEW WiLL 編集長」とある。しかし、誌名の権利はワックが持っているはずだからWiLLは使えないだろう。ワックでは文藝春秋にいた人間を編集長に据えて存続するようだから、同じような保守雑誌が2冊できることになるのだろうか。
花田さんは文藝春秋を辞めて朝日新聞から女性誌をやって、失敗したことがある。その二の舞にならなければいいが。