IS(イスラム国)に加わるためにシリアに向い、トルコ南部で拘束され国外退去となった和歌山県の23歳の男性が、きのう24日(2016年3月)に関西国際空港に着いた。「していないんだよ」と否定したが、トルコ当局の調べには「ISとともに戦いたい」と語っていたという。
携帯電話にISメンバーとの通話記録
男性が拘束されたガジアンテップは人口200万人、世界最大のモザイク博物館がある。しかし、トルコの通信社記者は「このごろは観光客は減って、ISに参加するために集まる人が増えたと聞いています。フランスやさまざまな国からやって来る」と話す。軍事ジャーナリストに黒井文太郎さんによると、シリアとトルコをつなぐ一番大きなルートだそうだ。外務省の海外安全情報では最低ランクで、最も危険な4、避難勧告地域に指定されている。
和歌山県の男性はここでIS関係者と連絡をとっていたようで、携帯電話にはISメンバーの電話番号があった。案内を頼んだシリア人から説得され、断念したという情報もある。
男性の母親は「初めての海外旅行に出かけたが、シリアの話は聞いていないし、そういう思想も思ってもいないはずです。おとなしく無口な子。みなさまにご迷惑をかけて申しわけありません」と語った。今月になって勤めていた和歌山の会社を辞め、「日本での生活がいやになった」ともらしたという。
戦闘要員でなく騙されて人質に?
上念司(経済評論家)「オウム真理教と同じで、貧しいからやるわけではない。リクルート活動にひっかかって洗脳された若者が、手を染めたら止められない」
こういう若者がISに入ると、パスポートを悪用され、身代金要求の人質にされることもある。戦闘能力がないため、宣伝ビデオや自爆テロ要員にされる危険もある。
司会の加藤浩次「鬱屈した思いがあったのだろうけど」
菊地幸夫(弁護士)「今回は向こうまで行ってしまった。私戦予備容疑で最高5年の禁固刑にあたる可能性もあります。警察はそこを念頭に調べているのだろう」
世間知らずのバカというだけではすまない面がある。