<出発 気ままに趣味旅(BSジャパン)>春ですねえ。気分も軽やかにどこか出かけたくなりますが、そんなときに何か『宿題』を持って歩くと、いつもとはちょっと違った旅になります。
お笑いコンビ「よゐこ」有野晋哉さんと俳優の伊藤かずえさんは、俳句をテーマに神奈川・江の島めぐりをしました。有野さんは俳句初心者ですが、伊藤さんは俳句番組に出演したこともあって、少しは心得があるようです。江の島を歩きながら3句詠んで、それを通りすがりの人に優劣を判定してもらおうということが決まり、現代俳句協会副幹事長の田村賢一さんと合流してアドバイスを受けることになりました。
田村さん「俳句などを作りながら出かけたり、歩くことを吟行と言います」
さっそく、江の島に向かう江ノ電の中で「春の海」をお題で1句ひねることになりました。
有野「孫二人 見せたい車窓 春の海」
伊藤「走る窓 光る白波 春の海」
見たまんまですが、江の島駅の駅員さんに判定をお願いすると、「こっちが好きですね」と指差したのは伊藤さんの句でした。まずは伊藤さんの1勝です。
1トンの圧力かけて焼くたこせんべい
江の島は湘南海岸から相模湾につき出した島で、2020年の東京五輪のセーリング会場にもなっています。弁天橋で島に渡るとお土産屋さんや飲食店が並ぶ仲見世通りで、なにやら行列ができています。たこせんべいとあります。小ぶりのたこに片栗粉をまぶし、1トンの圧力をかけて鉄板で焼きます。厚さ5ミリ、30センチ四方に押しつぶされてパリパリになりました。
伊藤「こんなまっ平らになっちゃって。香ばしくておいしい。ビールだよなあ」
日本三大弁財天のひとつ江島神社をお参りして、近くの桜の木の下で2句目の対決。有野さんは「桜咲く 電飾はずされ 夜が明けた」、伊藤さんは「初桜 濃い桃色を おしげなく」と詠みました。すれ違った2人ずれのお母さんの判定は、またもや伊藤さんです。たしかに、有野さんの句はどこか意味不明ですよね。
ガックリしている有野さんを元気付けようと入った「イル・キャンティ・カフェ江の島」は、断崖の上にテラスが張り出し、目の下で波が岩に砕け散っています。でも、冬の海と違って荒々しさはなく、どこかやさしい。沖にはキラキラ光る波間に小舟が浮かび、まさに春の海はのたりのたりかななのです。ワタリガニの一種ノコギリガザミのソフトシェルのから揚げ、目の前の海で揚がったシラスをトッピングしたピザをいただきます。
有野「食べてる間は俳句は考えられないですね。おいしいなあと思うだけだね」