きのう22日(2016年3月)に発表された公示地価で、商業地の価格上昇率トップは大阪・心斎橋筋商店街の一角だった。前年比45・1%アップ。背景の1つは来阪外国人観光客の増加だ。昨年は前年の2倍近い716万人となった。みずほ総合研究所の岡田豊主任研究員は「大阪は外国人観光客を受け入れるホテルにしても、商店にしても、東京より少ないので、新たにホテルを建てたり商店を始めたりしたいという人が増えています。そのために土地が上がった」という。
心斎橋が牽引役・・・600メートルの商店街でなんでも揃う
なぜ心斎橋が人気なのか。岡田氏によれば、外国人にとってアクセスが割安なのだ。羽田空港に比べると関西空港はLCCの余地があり、LCC便数は14年から15年にかけて79%増となっている。24時間稼働もしている。空港から特急で40分も魅力だ。
それに、心斎橋は1か所で用事がすむ。600メートルの商店街のなかに高級ブランド、百貨店、ドラッグストアもあれば、串カツもある。このほかに大型バスが停めやすい。
阿部祐二リポーター「不景気の声聞かなくなった」
心斎橋を一走りしたリポーターの阿部祐二は「以前は大阪でも不景気という話しか聞こえてこなかったのですが、最近は行くたびに活気を感じています」。宿泊施設の稼働率は、東京の82・3%を抑え大阪が85・2%と第1位だ。ホテルの予約もなかなか取れない。
宮崎哲弥(評論家)「大阪はこれまで福岡、名古屋、東京に取り残されていました。金融緩和がようやく地価に効いてきたのかなと思いますね。でも、バブルの頃とはまだまだ違います」
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト