舛添要一都知事「豪遊海外出張」ロンドン・パリ5泊5000万円の大名視察

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   週刊文春の新谷学編集長はこれからは週刊文春の記事を売るコンテンツビジネスをやっていきたいといっている。これまでは新聞やテレビが週刊誌の広告をいち早く入手して、誌名を出さずに「何月何日にわかった」などと独自ネタのように報じることが多かった。週刊文春だけではなく、他の週刊誌も新聞やテレビに抗議し、少なくとも誌名を出せと申し入れてきたためいくらかは改善してきている。

   週刊文春はそうしたこともやめさせ、やりたかったらコンテンツを買えというのである。この場合、発売前に出稿する新聞広告はどうするのか(発売日前日の深夜に新聞側に渡すことを私の時代にも新聞社と交渉したが、「事前検閲(新聞側はこうはいわないが)」できなくなるからダメだと頑として聞かなかった)。「週刊文春は木曜日発売です」だけにして、タイトルは一切出さないようにするのか。情報がタダでいいはずはない。今の勢いなら週刊文春のスクープを事前に買いたい社はあるだろうから、ぜひやってもらいたいと思う。

   さて、桝添要一都知事の評判がよくない。とくに大名行列のように多くの人間を引き連れて行く海外出張費がとんでもない額になるのだ。3月8日(2016年)付の産経新聞が「都知事のロンドン・パリ出張費 20人5泊で5000万円」だとすっぱ抜いた。それを受けて週刊文春は現地に記者を派遣して使い途を徹底調査した。

   それによると、桝添氏が使用した日本航空のファーストクラスの往復が約250万円。知事を除く19人のうち7人の職員が往復ビジネスクラスで1人120万円。残りの12人はエコノミークラスで往復64万円。締めて計1800万円にもなる。

   知事がロンドンで泊まったのは5つ星ホテルの「コンラッド・ロンドン・セントジェームズ」の最高級スイートだが、ホテル側が桝添氏をVIPと認めてプレジデンシャルスイートと同じ価格、1泊約40万円にしてくれたそうだ。職員たちも同ホテルに泊まっている。週刊文春の記者が泊まった最低価格帯の部屋は1泊約4万円だったというが、ロンドンはホテルの値段が高いことで知られるから、これはリーズナブルであろう。

   いくら使ってもとはいわないが、重要課題があってどうしてもというのなら致し方ないと思うが、今回の目的は2019年のラグビーワールドカップ東京大会をアピールするレセプション「ジャパンソサエティ」での講演、W杯3位決定戦と決勝戦の観戦というのだ。こんなものだったら都知事を含めて2、3人でいいのではないか。

   神戸学院大学上脇博之教授によると、「都の条例によって定められた知事の一日当たりの宿泊費は四万二千円が上限」だから、知事は条例違反の可能性が出てくるというのである。彼は昨年就任以来、外遊はロシア、ロンドン、韓国を各2回訪れるなど計8回になり、経費の総額は2億1000万円を超えると週刊文春は報じている。週刊文春はこの件に関して回答してくれるよう東京都に申し込んだが、都知事が説明責任を果たすことはなかったという。

   私は東京都民だし、東京五輪には反対している。私の税金がこのように『無駄』に使われていることにはらわたが煮えくりかえる。髙橋かずみ都議によると、全国の待機児童数の4分の1が東京都に集中しているという。血税を湯水のように使って遊んでいるヒマがあったら、もっと真剣に取り組む重要課題があるはずだ。

中国・李克強首相「全人代」演説で言い間違えた習近平の名前!まもなくクビか粛清

   次は中国についての話題。週刊現代は中国経済は相当深刻なところにあると報じている。それが証拠に、3月5日に始まった全国人民代表大会では、初日から「失速する中国」を象徴するような異変が起こったという。ジャーナリストの李大音氏がこう語る。<「全人代のオープニングを飾る李克強首相の『政府活動報告』は、2015年の活動回顧に始まり、今年から始まる第13次5ヵ年計画の概要を説明しました。そして第3部の2016年の重点活動に移ったとたん、李首相の額に脂汗がしたたり始めたのです。聴衆たちは何事かと見守っていましたが、李首相は苦しいのか怒っているのか、30ヵ所以上も読み間違えました。

   特に驚愕したのが、『習近平総書記の一連の重要講話の精神を深く貫徹して』というくだりを、習近平ではなく、思わず自分が一番尊敬している『鄧小平』と口走ってしまったのです。その瞬間、壇上で聞いていた習近平主席は、鬼のような形相になりました」>

   1時間53分に及んだ演説を終えた李首相は全身がわなないているようだったと書いているが、私もテレビで流れたのを見たが、異様な光景だった。<「18年3月の任期を待たずしてクビでしょう」(李氏)>

   週刊現代によれば、李首相が演説の中で最も汗だくになっていたのが、次のくだりを読んだときだったそうだ。「生産過剰の問題を解消していく。鉄鋼、石炭などの業種は、新規参入を食い止め、淘汰を推進する。(中略)そのために、中央政府は1000億元(約1兆7300億円)の補助金予算を取って、労働者の適切な移転を促す」

   李記者がこう解説する。<「中国経済がここまで悪化したのは、一言で言えば、基幹産業をすべて牛耳っている1100社あまりの国有企業が、経済発展のお荷物になっているからです。そこで李首相は、13年3月に就任した当初、国有企業を市場化し、多元化(民営企業と同待遇)し、民営化していく計画を立てた。それを反故にしたのは習近平主席です。

   習主席は昨年8月、国有企業を200社から300社に統合し、それらをすべて『党中央』、すなわち自分が完全に指導するとした。つまり国有企業の利権を独り占めすることで、独裁体制を敷こうとしているのです。21世紀の世にこんなことをやっていて、経済がよくなるはずがない」>

   こんな情報もある。全人代で3月7日、注目された楼継偉財政部長(財務相)の記者会見が行われた。そこには内外の記者が数百人集結したという。記者から、「今年の政府債務予定額は17兆1800万元(約300兆円)にも上り、これは昨年末時点の政府債務16兆元よりかなり多い。こんなに借金を増やして、そのリスクをどう考えているのか」

   それに対して楼部長は、「中国の財政収入はGDPの約3割で、政府債務はGDPの約4割だ。いずれも他国に比べて、健全財政を保っている」と答えた。こんな認識しか持っていないようでは、中国経済の先行きは真っ暗といわざるを得まい。

香港の書店関係者次々拘束!当局の逆鱗に触れた発禁本「習近平とその愛人たち」

   次も中国についての週刊ポストの記事。発禁本を取り扱う香港の書店の関係者5人が昨年10月から12月にかけて次々に拘束され、今なお3人が拘束されたままだという。拘束されるきっかけになった「本」がある。「習近平とその愛人たち」という題名で、先の書店が版元となって発売の準備を進めていたそうだ。だが、関係者が拘束されてしまったためにいまだに発売されていない。

   著者はニューヨークに住む民主活動家の西諾氏。週刊ポストはあるアメリカの民主活動家を通じて、同書の電子書籍版の全文を入手したという。習近平氏が主人公の小説仕立てで、初恋から最高指導者になるまでに出会った6人の愛人との関係が中心に書かれているらしい。同書によれば、習近平氏はなんと天安門事件のリーダーの一人とも関係を持っていたというから驚きだ。

   中国に詳しいジャーナリストの福島香織氏がこう分析する。<「たしかに読んだ印象として、この本は全体として荒唐無稽です。しかし、山ほどゴシップ本が出ている中でこの本だけ異例の措置を取ったのは、習近平にとって何かどうしても許せない部分があったのではないか。だとすれば、それは頼昌星との関係だと思います」>

   週刊ポストによれば、頼昌星は中国史上最大級の密輸事件「アモイ事件」の主犯である。99年に発覚したこの事件では、頼昌星の経営する福建省アモイ市の貿易会社が中国共産党の幹部らと共謀して石油製品・自動車などの密輸を繰り返し、多額の関税を脱税した。

   頼昌星はタイ逃亡中に答えたインタビューで、アモイ事件には想像以上の大物が関与していることを匂わせている。その大物とは福建省委員会副書記を務めた習近平氏のことではないかとかねてから噂されてきたそうだ。2人はアモイで隣人として知り合い、習近平氏が頼昌星から女性を紹介されたり、カネを工面してもらったりといった関係だったと記されているという。日本で翻訳して出版したら売れると思うが。

日本野球機構「野球賭博」暴力団排除までやれるか?開幕遅らせてでも膿出し切れ

   当然ながら野球賭博問題は他球団に飛び火し、このままいくと公式戦開幕どころではなくなるかもしれない。週刊文春はこの問題のキーマンであるB氏が「高校野球くじ」について明かしている。高校野球が始まると、参加者が最大で4チームをくじで引いて、1チームにつき1万円を払う。さらにいろいろな罰則があり、追加で1万円を払うから、優勝校を当てた者は数十万円を受け取ることができるそうだ。

   私も現役時代は高校野球シーズンによくやっていたから、1万円程度ならとは思うのだが、B氏が野球賭博常習者だと知って選手たちが参加したとすれば、野球協約に違反している可能性があると週刊文春はいっている。

   試合前に選手が円陣を組んで、担当者が「がんばろう!」などと声出しをして、その試合に勝つと担当者以外の選手が数千円ずつ払う賭けについては、新聞などでも報じられ、あまり連勝するとカネを払いたくないためにわざと手を抜く「敗退行為」を招く恐れがあるといわれる。

   こうした件はともかく、野球賭博に関してはNPB(日本野球機構)は徹底的に調べ、膿を出し切るべきである。そのために開幕が遅れようと、主力選手の名前が上がろうと、腹をくくり、賭博に必ず絡んでいる暴力団を排除しなければ、野球はますますファンから見放される。

劇団員殺害「DNA1000人鑑定」の不気味!お手軽捜査・証拠集めで冤罪の温床にならないか

   私が住んでいる中野で起きた25歳の劇団員・加賀谷理沙さん殺しは、事件当時近くに住んでいた戸倉高広容疑者(37)が逮捕されたが、その捜査のやり方にやや首を傾げざるを得ない。加賀谷さんから検出されたDNAを基に、近隣住民を含めて1000人以上のDNA鑑定をやり、実家に引っ越していた戸倉容疑者からも任意でDNAの提出を受けていたと週刊文春(週刊新潮によると被害者宅から半径500メートル圏内に住む75歳以下の成人男性に対して行った)は報じている。

   同じ鑑定結果が出る人間は9兆4000億人に2人しかいないというから、残された証拠の分析と地道な地取りを重ねて犯人を追うよりも、警察にとってはありがたい「証拠」であろう。しかし、真犯人が誰かのDNAを相手に知られずに何らかの方法で入手し、殺害した人間に付着させて逃亡したとしたらどうなるのだろうか。

   今回の場合も、容疑者は現時点では完全に自白してはいないようだ。自白も証拠もなくて、DNAだけを「証拠の王様」にしてしまうことで冤罪事件が再び起きることはないのだろうか。また、DNAさえわかれば犯人を見つけやすいと、日本人全員のDNAをマイナンバーに登録せよと、愚かな為政者が号令をかける心配はないのだろうか。

   この延長線上で、人工知能が囲碁王者を破ったことを手放しで褒め称えるのはいかがなものかという週刊新潮の記事を紹介しておく。人工知能の発達は目覚ましいものがあり、いずれは農作物の栽培や建築、コールセンターでの応対や通訳、翻訳もこなせるようになるという。

   それは今ある仕事の半分は人工知能によって代替がきくということだから、人間はいらないということになる。人工知能は人間を超えられないという考えも過去のものになり、「人工知能が精神病になることで作り損なうと、サイコパスの殺人鬼みたいな人工知能が生まれる可能性だってある」(神戸大学・松田卓也名誉教授)。人工知能を使った武器やロボットを開発し、世界征服を目指す為政者も出てくるかもしれない。もはや手塚治虫が描いたSFの世界は、現実になろうとしているのである。

認知症が毎日集まるデイサービス施設!進行遅らせるための情報交換とカラオケ

   これはいま現在のお話。認知症は国民病になりつつある。そんな当事者たちが語り合った座談会を週刊ポストは掲載している。前代未聞かどうかはさておき、おもしろい企画である。東京・町田市に民家を改装したデイサービス施設「NPO町田市つながりの開 DAYS BLG!」という1軒家がある。BLGには毎日10人ほどが集うが、みんな認知症と診断された人々だ。当日、何をするかを本人が選べるのが特徴の施設で、昼食後のカラオケは定番だそうだ。

   市内で妻と2人暮らしの奥澤慎一さん(74)は3年前から通い始めた。建設会社勤務だった園田士郎さん(仮名、62)は定年後も嘱託として働き、勤務のない日にここへ来る。神奈川県在住の片岡信之さん(仮名、64)を加えた3人に話を聞いている。

   片岡さんは30歳ぐらいから覚えられなくなってしまって、メモをしないと頭に何も残らないという。医者に若年性アルツハイマーの傾向があるといわれたのが50代後半。園田さんは地方の工事現場への長期出張が多かった頃、家族と「お土産を買って帰る」「この日に帰るから食事しよう」と約束しても忘れることが続き、娘にきつく叱られたそうだ。そこで専門医のところへ行って試験を受けたら、アルツハイマーだといわれたそうだ。「ぽつぽつと抜けはあっても、電車も一人で乗れるでしょ。小説も読めるし、好きな料理は自分で作っていましたから」(園田さん)

   奥澤さんは「6年ほど前のことです。コンビニでタバコを一箱買いました。当然、お金を払うわけですね。ところが不思議なことに、レジの前に陳列してある同じ銘柄のタバコをもう一箱取って、ポケットに入れてしまう」ために警察に突き出されたことが何回かあった。

   今は3人ともお酒はたしなむ程度だという。認知症が進むと酒で失敗することが多くなるようだ。園田さんは毎日日記を書く。それも当日ではなく、次の日に思い出して書くという。記憶力をテストするのだが、食べたものすら忘れることがあるという。

   飛び入りの72歳の鳥飼昭嘉さんはクロスワードや数字パズルを毎日やると、結構頭を使っていいと話す。鳥飼さんは大手電機メーカーの設計担当だった30年ほど前に、くも膜下出血で倒れたことがきっかけで脳血管性認知症と診断された。鳥飼さんは、わが子を連れて遊び場に行ったのに、子供の存在を忘れて1人で帰ってきてしまったこともあったそうだ。

   奥澤さんは3年前、奥さんがBLGを見つけてくれて、もう一度社会や仲間とつながれるようになり、希望が差したという。鳥飼さんは「症状は改善できますよね。僕は『後ろ歩き』がいいと聞いて、公園でやっていますよ」と話す。奥澤さんは「認知症でも、人間性は取り戻せる。あとは世の中です。家族だけじゃなくって、近所とか町の人が見守る。そういう社会になってほしい」と語る。

   奥澤さんは取材の最後にこう呟いたそうだ。「みんないつかは認知症になる。そういう時代です。でも、まだみんな、どこか他人事なんだよな」

   認知症は治すことはできないが、予防や脳を活性化させることで進行を遅らすことはできるそうだ。そのためには「道」のつくものをやるといいと、脳学者の加藤俊徳氏がいっていた。華道、茶道、ちょっとハードだが剣道に柔道。そういえば、私の先輩に剣道をいまでもやっているのがいるが、80歳近いのに矍鑠として、斗酒なお辞せずである。彼のところに入門するかな。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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