昨年(2015年)6月にトルコ経由でシリアに入国したまま消息を絶っているジャーナリストの安田純平さんとみられる人物の映像が公開された。「Hello, I'm Junnpei Yasuda」で始まり、メモを見ながら英語で「きょう3月16日が誕生日です。妻よ、愛しています。そして父、母、兄弟、みんなを抱きしめたい。いつもあなたたちのことを気にかけています。抱きしめたい」と続く。
「彼らは何でも好きなことを自由に話していいと言っていました。話をしたい。しかし、もうできません。お元気でとしかいえません」「私の42年間の人生はとても良かった。とくにここ18年はとても幸せでした。家族と話したいが、もうできない」と語っている。身代金や脅迫などの要求はない。
髪とひげ伸び放題。日焼けない白い顔・・・長期の拘禁状態
映像が公開されたのはきょう17日(2016年3月)未明で、1分12秒だ。髪もひげも伸び放題だが、安田さんに間違いない。セーターを着て、首にマフラーを巻いている。テーブルには本や紙類が乱雑に置かれ、背後は白い壁だ。
映像を見た知人のカメラマン渡部陽一さんは「髪やひげが伸びていますが、安田さんですね。気になったのは日焼けしていないこと。砂漠地帯で日焼けしていない。ずっと部屋に拘束されていたという印象です」と話す。
安田さんは埼玉県出身で、一橋大学を卒業後は新聞記者を経て13年前にフリーのジャーナリストになった。04年にイラクで起きた日本人人質事件の取材中に武装勢力に一時拘束されたが、解放された。その後も紛争地の取材を続けている。
昨年6月にシリアに入ってから、ツイッターで「これまでの取材では、場所は伏せつつ現場からブログやツイッターで現状を書いていたが、取材への妨害が本当に洒落にならないレベルになっているので、今後は難しいかなと思っている」と書いたのを最後に、消息が途絶えた。
IS(イスラム国)と違い身代金で解放の可能性
映像をFNNに提供した関係者は、シリア北部で活動するアルカイダ系の反政府武装組織「ヌスラ戦線」から入手したと言っているという。
司会の小倉智昭「家族への呼びかけは、本当は日本語でしたかったのかもしれませんね。身代金とかの要求はないんでしょう?」
笠井信輔ニュースデスク「渡部陽一さんは、ヌスラ戦線なら身代金目的の可能性がある。交渉の余地があるのではないかといっています」
古市憲寿(社会学者)「自己責任とはいえ、日本政府もなんとかしてほしいですね」
宮澤エマ(タレント)「ISなどと違って、意図が見えないのが心配ですね」
小倉「政府には要求が届いているのかもしれないし、イスラム国の人質のことが脳裏に残ってますからね。無事を祈りたい」