試合前に選手たちが円陣を組んで声を掛け合う声出し。高校野球や少年サッカーの試合でよく見かける光景だが、プロ野球・巨人軍の公式戦ではこの声出しに現金を賭けていた。
円陣組んだ選手が5000円を出し合い、巨人が勝てば先頭に立って声出しした選手が総取り。負けると声出しした選手が他の選手すべてに1000円ずつ払っていた。
把握しながら公表しなかった日本野球機構
賭け声出しは巨人が低迷していた2012年の開幕の時から始まったらしい。黙認してきた球団は「あくまで験担ぎの行為で賭博ではない」と説明しているが、なぜ現金を賭けるのか苦しい言い訳にしか聞こえない。
日本野球機構の調査委員会も昨年(2015年)秋の調査で、現金を賭けた声出しを把握していた。公表しなかったのは「プロ野球選手としては少額のため、八百長などに繋がらないと判断していた」からという。
少額でも賭博罪にあたる可能性
スポーツライターの玉木正之「ここまで落ちたとは情けない。そんな験担ぎをしなきゃ勝てないチームは解散したらどうですかね。バカバカしい」
司会の夏目三久「円陣を見るときの見方が変わってしまいますよね。残念で情けない話です。なぜ日本野球機構は公表しなかったのでしょうか」
中央大法科大学院の野村修也教授はこう答えた。「少額ということが公表しなかった理由の一つに挙げられていますが、賭博罪は額に関係ない。金銭であれば賭博になる可能性があります。試合の結果でお金が動くという慣習が存在すると、八百長とか野球賭博の温床になりますよね。事態を深刻に受け止めて公表すべきだった」
野球賭博の問題が発覚し、現在は声出し賭けは禁止しているという。