「女性にとって最も大切なことは、子供を2人以上産むことです。これは仕事でキャリアを積むことより以上に価値があります」
大阪市立茨田北中学校の寺井寿男校長(61)が先月29日(2016年2月)、全校集会の朝礼講話でこんな話をした。記者が真意を聞くと、「間違ったことはいっていない。日本の将来を考え、子供たちの将来のために話した」と反論し、「君たちはエリートだろう。もっと勉強せい」と食ってかかった。
「2人以上産み育てたら国立大学の希望学部に無料入学」
校長は朝礼講話で「今から日本の将来にとって、とても大事な話をします」と語り始め、「少子化が進むと日本が消えてしまう」として、「女性が2人以上産み育て上げると、無料で国立大学の望む学部に能力に応じて入学し、卒業できる権利を与えたらよいという意見がありますが賛成です。子育ての後に大学で学び医師や弁護士、教師、看護師など専門職に就けばよいのです。子供に恵まれない人は里親になって育てることができます」と述べた。男性についても「子育ては必ず夫婦で助け合いするもので、女性だけの仕事ではありません」と指摘した。校長は今回だけでなく、茨田北中学校に赴任して3年間、同じ趣旨の話をしてきたという。
街では「人によっては子供を産めない人もいる」「子供を増やすことは別に悪いことでない」などと賛否両論だ。
大阪市教育委員会「公務員の立場では不適切な発言」懲戒処分を検討
司会の加藤浩次「いろんな意見が出ていますね」
湯山玲子(著述家)「女性は自分の子宮の決定権は自分にあると思っています。子育てのあと、医師や弁護士になればいいと言いますが、実際には絵に描いた餅です」
はあちゅう(作家)「好意的にみれば、子育てに関与することが大事だということを伝えたかったのではないでしょうか」
はるな愛(タレント)「最初聞いたとき、どこの国かと思いました。学校のトップが自分の物差しだけで発言するのはどうかなと思いました」
ロバート・キャンベル(東京大教授)「教育者は男や女がこうあるべきだと押しつけるべきではありませんよ」
加藤は「いろんな価値観やいろんな意見を聞いて、これはおかしいと考えながら自分の価値観をつくっていくことは悪いことではないと思いますが、断定的なところが気になりました」とまとめた。
大阪市教育委員会は公務員の立場では不適切な発言だとして、懲戒処分も含め対応を検討している。