難解な経済用語・システムをグラマー女優が肉体解説
あるときはドキュメンタリータッチでめまぐるしい場面転換をするかと思うと、登場人物がカメラ目線で観客に直接話しかけたりする。斬新な映像表現だ。
難解な金融用語や複雑な金融の仕組みが分からないとこの映画を理解し楽しむことはできない。そこでさまざまな手法が施されている。
ジャレドはゲームの「ジェンカ」のグラつくブロックを例にして、いかに債務担保証券が脆い土台の上に立っているか、その崩壊が避けられないことを説明する。カリスマ料理人アンソニー・ボーディンは包丁をさばきながら危険な金融資産を食べ残しの魚になぞらえる。グラマー女優マーゴット・ロビーが泡風呂に浸かり、シャンパングラスを傾けながら住宅問題の謎を解き明かす。アイドル歌手セレーナ・ゴメスはカジノのテーブルでCDOの崩壊によって引き起こされる壊滅的なドミノ効果を説明する。
何か分かったような気にさせてくれる。アカデミー賞脚色賞受賞も納得の「金融エンタテイント」だ。
オススメ度☆☆☆
佐竹大心