2007年のサブプライムローン問題をきっかけにアメリカの不動産バブルが弾け、投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻したことで世界中が金融危機に巻き込まれた。その裏側でウォール街を出し抜き、大儲けをした4人のアウトロー金融マンがいた。その実話をもとにしている。
だれも見向きもしなかった「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」
へヴィメタル好きの孤独な金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベール)はアメリカ経済が破綻することを予見していたが、ウォール街の銀行家や政府の金融監督機関からまったく相手にされなかった。そこで、マイケルは「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」という、ほとんど価値がないと思われていた金融取引に目をつけ、サブプライムローンがパンクしたときに巨額の保険金を手にできる契約を投資銀行と結ぶ。
野心と自信に溢れ口達者な若き銀行家ジャレ(ライアン・ゴズリング)は、マイケルのこの戦略を察知し、大手銀行に怒りを募らせていたヘッジファンド・マネージャーのマーク(スティーブ・カレル)にCDSを勧める。また、ウォール街の伝説の銀行家で、いまは地方に引っ込んでオーガニックな生活をしている破滅論者のベン(ブラット・ピット)も若い投資家にCDSを買うように後押しをする。
4人はアメリカの経済が破綻し、「CDS」の相場が逆転するその日を待って「売り」(業界用語で「ショート」)のポジションを保持するが、なかなかそうはいかず損失が膨らみ焦る。もしもこのままCDSの価値が上がらなければ自分が破滅だ。そして2008年9月、ついにその日はやってきた。
自分たちは大儲けしたが、祖国アメリカの経済は破綻し、何百万人という人が職や家を失い、路頭に迷うことになった。勝負に勝ったものの心情は複雑だ。