新国立競技場にまた問題発生である。今度は聖火台の場所が採用デザインですっぽりと抜け落ちていたというのだ。新国立は屋根が木造なので、近くには作れない。新デザインのコンペに勝った隈研吾氏は1月(2016年)の会見で、「聖火台の位置はまだ特定していません」とたしかに言っていた。
へたなところに作ると木造屋根が燃える
新国立の屋根は開閉ドームをやめたから、観客席をぐるりと取り巻くようになっていて真ん中が開いている。デザイン上、聖火台が割り込む余地はどこにもない。常識的には、屋根より高いところに聖火が燃えるという絵が浮かぶが、ここに木を使った屋根(梁の部分)がくるので、火災予防上どうかということになる。競技場から離れたところに聖火台だけ作るのか。
司会の小倉智昭「前のデザインでも聖火台はなかったよね」
笠井信輔(ニュースデスク)「あれも外に想定されていたそうなんです。今回のもどこにも聖火台はないんです。そもそもが、新国立競技場のコンペであって、オリンピックスタジアムのコンペではないことを思い出してください。つまり、隈研吾さんは聖火台の位置を決める必要はなかったんです」
競技場の外に立てる案も検討中
オリンピック組織委はどう考えているのか。遠藤利明・五輪担当相は「聖火台の場所をどの段階でどう作るか、決めていなかったんです。設計を変えるとなれば大ごと。建築費用が変わってくる。5月の連休前までには決めていきたい」という。
ソチ五輪ではスタジアムの外に作られていた。冬だからということもあろうが、夏の五輪ではこれまで競技場の外に作られた例はないという。規定ではスタジアムのすべての客席から見えて、スタジアムの外からも見える場所となっているそうだ。
笠井は「それをクリアすれば、どこに作ってもいい」と言うが、スタジアムの屋根を取り外さないと外の聖火は見えない。小倉が写真を指しながら、「屋根を削るとかしないと。木造ですもんね」
笠井「誰かが聖火台はどこに作るの?と気付いたんでしょうね」
小倉「2020年のオリンピックを目指して作っている国立競技場なんだからね。気がつきそうなものだが」
緊張感が欠けている。