今週の『週刊文春』の巻頭は「安倍首相補佐官・河井克行の暴力とパワハラ」だ。河井氏(52)は首相補佐官で「ふるさとづくり推進および文化外交」担当で、沖縄担当政策統括官である。週刊文春によれば、松下政経塾出身で、広島県議を経て1996年の衆院選に自民党から出馬して初当選した。当選6回の中堅議員で、鳩山邦夫氏が会長を務める「きさらぎ会」の幹事長である。12年の自民党総裁選で鳩山氏とともにいち早く安倍支持を打ち出し、その論功行賞で昨年(2015年)10月に補佐官に就いた人物だそうだ。
英語が堪能で、安倍外交の尖兵として、米国議会に対して理解を広げる役回りだという。また、外務省が官邸の意向を無視して勝手な動きをしないよう見張る役割も担っているという。本人は「月の内半分は外遊している」と豪語している。
そんな安倍首相の従順なポチ役を務める人物に、部下への暴力やパワハラ、セクハラまであり、暴力については証拠写真もあるというのだから穏やかではない。たしかに、左腕にアザがはっきりと写っている元秘書の写真が載っている。元秘書は中村秀雄氏(74)で、99年4月から7月にかけて河井氏の秘書兼運転手を務めていた。
<「あの人は私が車の運転をしとると、運転の仕方や言葉づかいが気にいらんと言っては、『このやろう』と罵声を浴びせかけ、ハンドルを握る私の左腕めがけて後部座席から革靴のまま蹴ってきよるのです。こちらは運転中じゃけん、よけることもできん」(中村氏)>
毎日のように殴られていた中村氏は、たまりかねて病院に駆け込み、そのとき撮ってもらったのが掲載されている写真だという。それ以外にも、中村氏がいうには、選挙中に強力な対立候補のポスターを見つけると、剥ぎ取れと河井氏に指示され剥ぎ取ったというのである。
河井氏のところを退職した中村氏は、広島県警に傷害罪で河井氏を告訴し、ポスター剥がしについても器物損壊罪で告発した。だが、当の中村氏が河井氏の選挙ポスターをカッターナイフで切り裂いた現行犯で逮捕されてしまうのである。本人は「どうしても我慢がならなかった」といっているが、馬鹿なことをしたものである。そのために告訴した件も立ち消えになってしまった。
しかし、河井氏のパワハラはひどいものだと元秘書のA氏も証言している。<「私が河井事務所に入った時に『あなたがこれで二百何十人目だったっけ』と言われました。ブラック職場として有名になり、一時は職安に求人を出すこともできないほど」>
最短5分しかもたなかった秘書もいるそうだ。また地元の「第一タクシー」の会長も、河井事務所から運転手を出してくれといわれたが、誰を出しても3日ともたなかったと話している。気にくわないと運転席を蹴る、助手席に乗ったら手で叩く。暴言、無理難題を吹っかけてくるので、120人いた乗務員の誰もやりたがらなくなって断るようになったという。
それ以外にも、女性記者に対するセクハラまであったという。そうだとすれば、ハラスメントの総合デパートのような人物である。妻は広島県議で、週刊文春の取材に対して、秘書への暴力は「事実無根」だとしているが、「秘書の入れ替わりが激しいのは事実」だと認めている。
当の河井氏は取材には答えず、「カナダへの外遊」に飛び立ってしまったそうだ。だが、ここに書かれた秘書に対する数々の暴力行為については、答える義務があるはずだ。逃げ隠れしてほとぼりが冷めるまで待とうというのでは、政治家失格といわれても仕方あるまい。
自民党参院候補SPEED今井絵理子のワルすぎる婚約者!店で働かされてた少女「コンドームありで本番」
こちらは政治家になるかもしれない女性についての追及記事である。SPEEDのボーカルで、早々と参院選で自民党の『目玉』として立候補を表明した今井絵理子氏(32)の彼氏に「悪い噂」があると、先週各誌が報じた。今週も『週刊ポスト』が続報している。今井氏の婚約者A氏が風俗店で働かせていた当時17歳だった少女が、独占証言したというのである。
その前に、昨年(2015年)3月にA氏とともに逮捕された風俗店の共同経営者X氏の証言を紹介しよう。X氏はA氏とは10年ほど前に知り合ったという。<「もともとAは闇金をしていたから、お互い『夜の街の人間同士』として出会いました。2013年にAから『闇金で稼いだカネがあるから風俗の仕事を始めてみたい』といわれ、ノウハウを提供して松山の歓楽街で『ヌキ屋』というピンサロのような店をやることにした。そもそも風俗店を営業してはいけないエリアで始めたので、はじめから違法風俗です。店は名前もなく、客はもっぱらキャッチ(呼び込み)で集めて、料金は30分で1万円。ぶっちゃけ、本番をやらせていました。今井さんが『キャバクラだと聞いている』といっているようですが、全く意味不明。今井さんも知らないわけがありません」>
X氏は今井氏にも会ったことがあるという。<「『会わせてよ』といったら、一昨年の夏頃に本当に会わせてくれたんです。今井さんは、夜の世界への知識は全然なかったけど、好奇心が強くて僕らの仕事の話を面白そうに聞いていました。
それで彼女は『現場も見てみたい』と思ったらしく、一度その風俗店に来たこともありました。その時はさすがに怖そうにしていて、全然面白そうではなかったですが」>
次の証言者は西野カナ似のYさん(18)。彼女は事件当時の報道で「17歳の無職少女」とされた女性だ。彼女が店で働き始めたのは、ほかならぬA氏の斡旋だったという。<「私は家出して沖縄に来て彼氏と暮らしていたんですが、その彼氏がAさんからおカネを借りていて返せなくなったんです。10日で1割の利息みたいな典型的な闇金でした。それで借金を返すために、Aさんから『うちの店で働け』といわれて働き出しました。
出勤は夜の9時ごろから明け方までで、コンドームありで本番していました。(中略)ほとんど未成年で、私と同じようにAさんの闇金関係で働かされている子たちでした」>
彼女は「Aさんは店の子たちに『SPEEDの今井と付き合っている』と自慢していました」と語るが、彼女はSPEEDを知らなかった。<「子供や母親が明るい希望持てる社会づくりをしたい」という今井氏の政治理念と、未成年の少女を風俗で働かせていた男性を庇う姿勢とは、あまりにもかけ離れて見える>と週刊ポストは批判している。
さらに、<党幹部たちはこの一件を「彼を更生させようとしている美しい話だ」と美談にすり替え、3月13日の党大会では今井氏に「君が代」を斉唱させるとぶち上げたのだ。
果たして彼女の歌う「君が代」の歌声は、有権者の心にどう響くのだろう>と疑問を呈している。これだけ彼氏の『前』が暴かれてしまった今井氏にとって、厳しい選挙戦になることは間違いない。
アメリカ保守系メディアも危機感!「トランプ人気に断固抵抗ののろしを上げろ」
アメリカの大統領選挙は山場のスーパーチューズデーが終わり、民主党はクリントン氏が優位に立ち、共和党は当初「泡沫候補」といわれていたトランプ氏が2位以下を引き離して、また一歩指名に近付いた。
アメリカの保守系メディアは大慌てである。「ワシントン・ポスト」は2月25日、トランプ氏の独走を止めるために共和党指導者に行動を起こすよう異例の社説を掲載した。やはり保守系雑誌「ナショナル・レビュー」は「トランプ人気に対して断固抵抗ののろしを上げろ、トランプは保守派からの支持に価しない」という論説を掲げた。
『ニューズウィーク日本版』(3月8日号)でジョシュ・ブアヒーズ氏(ストレート紙シニアライター)は、以前、トランプ氏は自己誇張癖の偏見に満ちた目立ちたがり屋で、大統領指名選挙に勝てるわけがないと予言したことを誤りだったと認め、クリントン民主党候補と争った場合「民主党は勝利を確信できない」と書いている。これからは、共和党がトランプを支持するのか、トランプを追い落とすとすればどういう手を使うのかが焦点になるようだ。
アメリカ映画の矜持!アカデミー賞作品賞に「スポットライト 世紀のスクープ」
アメリカ映画界の祭典である第88回アカデミー賞の作品賞が決まった。新聞記者たちがカトリック教会のSEXスキャンダルをスクープする実話を描いた「スポットライト 世紀のスクープ」である。これ以外にも、リーマンショックが起きる前に経済破綻の危機を予見し、ウォール街を出し抜いた4人の男たちの実話を描いた「マネー・ショート 華麗なる大逆転」がノミネートされていた。
アメリカ映画はまだジャ-ナリズムの伝統や時代を見通す洞察力を失っていないと、アカデミー賞の中継を見ながら思った。翻って日本映画の退廃ぶりはどうだろう。映画人は今の日本の惨状を映画で訴え、変えていくという努力を放棄しているのではないのか。テーマはいくらでも転がっているのに、観客に媚びるテーマばかりを追いかけるのはやめたらどうか。
クエンティン・タランティーノの西部劇「ヘイトフル・エイト」は「ニガー」という差別用語が多発するので作品賞にはノミネートされなかったが、3時間近くを飽きさせない力の入った娯楽作品である。タランティーノ自身が「最高傑作だ」といっているようだが、頷ける。
ゆうちょ銀行で静かな取り付け騒ぎ・・・金融学者が心配する「素人運用で巨額損失」
株価も円高もどうなるのか先が見えない状態が続いているが、『週刊現代』はマイナス金利で絶対安全なはずのゆうちょ銀行が危ない、静かな取り付け騒ぎが起きていると報じている。ゆうちょ銀行は昨年11月に鳴り物入りで上場を果たした日本郵政グループの金融部門だが、その収益の柱は国債の運用である。日本郵政グループ関係者がこう語る。
<「ゆうちょ銀行の運用資金は約200兆円ですが、そのうち4割を国債で運用しています。ところが、マイナス金利の影響で、もともと低かった利回りがさらに下がり始めている。そこでゆうちょは株式や不動産ファンドなどを運用することで収益を上げられる態勢を作ろうと試みています」>
これが危ないというのである。嘉悦大学ビジネス創造学部教授の小野展克氏がこう語る。<「運用経験に長けている他行の担当者からは『ゆうちょは、あんな態勢で始めて大丈夫なのか』と心配する声が上がっています。優秀なファンドマネジャーでも、一人で運用できる規模は500億円程度が限界。ゆうちょ銀行は今後数十兆円もの規模を運用するわけですから、かなり大規模かつ実力の伴う運用部隊を配備する必要があります。
ゴールドマン・サックスなど外資系投資銀行から人材を引き抜いていますが、いまはまだ『素人』が大半です」>
たしかに、そうだとすれば怖い話である。<「絶対安心だと信じていたゆうちょ銀行が、運用で数兆円規模の損失を出したということがニュースになれば、一般の預金者たちに与えるショックは計り知れない。パニックに近い取り付け騒ぎが起こるでしょう」(経済紙金融担当記者)>
マイナス金利の開始以来、賑わっているところもあるという。金融機関による住宅ローンの金利引き下げ競争がヒートアップして1%を下回る超低金利が続々と登場しているそうだ。そこであきらめていた夢のマイホームが視野に入り、モデルルームや住宅展示場に足を向ける人が急増しているというのである。
黒田日銀総裁「マイナス金利」自画自買!現金1億円で世田谷に高級マンション購入
そんななか、黒田日銀総裁が自腹を切って、自らマイホーム購入という大きな買い物をしてみせたそうだ。新居は世田谷区の人気住宅エリアで駅に近い上、公園の緑が豊かに広がる好立地に立つ瀟洒な高級低層マンションだ。そのマンションを中古で購入した。新築時には1億円を超えた部屋で、値段が落ちる物件ではないので、中古でも1億円近くの値がついてもおかしくはないそうだ。
週刊現代が不動産登記謄本を見てみると、ローンの記載はない。黒田総裁は借金をせず、手持ちのカネだけでこの「億ション」を購入したことになる。黒田総裁が日銀総裁就任からずっと住んでいたのはUR(都市再生機構)の賃貸住宅で、家賃は20万円以上するが、相場よりは割安だったそうである。
週刊現代にいわせると、黒田総裁は新居のために1億円近いキャッシュを使ったから預金は目減りしており、老後を考えたら1円でも多くの資金的余裕を確保したいはずだ。<「つまり、景気を上向かせるためにも、自分の老後を考えても、黒田総裁がマイナス金利政策をどんどんエスカレートさせていくことだけは間違いない。18年の総裁任期満了までの少なくともあと2年。日本ではマイナス金利という異常事態が続くということを覚悟しなければいけない」(日銀ウオッチャー)>
日銀総裁が老後のカネの心配をしているとは思えないが、マイナス金利政策がエスカレートしていけば、地方の金融機関が淘汰されていくという予測もある。そんなどんよりした景況感を払拭しようというのであろう、朝日新聞(3月2日付朝刊)にこんな記事が載った。<公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は1日、昨年10~12月期に4兆7302億円の収益を得たと発表した。昨年7~8月期は、市場運用を始めた2001年度以降で四半期として過去最悪の赤字となる7兆8899億円の損失だったが、一転して2四半期ぶりの黒字になった>
これを読んで眉に唾をつけたのは私だけだろうか。GPIの発表した数字を朝日新聞はどうやって検証したのだろう。大本営発表を鵜呑みにして垂れ流すだけでは、国民の知る権利に応えたことにはならない。