アメリカ映画の矜持!アカデミー賞作品賞に「スポットライト 世紀のスクープ」
アメリカ映画界の祭典である第88回アカデミー賞の作品賞が決まった。新聞記者たちがカトリック教会のSEXスキャンダルをスクープする実話を描いた「スポットライト 世紀のスクープ」である。これ以外にも、リーマンショックが起きる前に経済破綻の危機を予見し、ウォール街を出し抜いた4人の男たちの実話を描いた「マネー・ショート 華麗なる大逆転」がノミネートされていた。
アメリカ映画はまだジャ-ナリズムの伝統や時代を見通す洞察力を失っていないと、アカデミー賞の中継を見ながら思った。翻って日本映画の退廃ぶりはどうだろう。映画人は今の日本の惨状を映画で訴え、変えていくという努力を放棄しているのではないのか。テーマはいくらでも転がっているのに、観客に媚びるテーマばかりを追いかけるのはやめたらどうか。
クエンティン・タランティーノの西部劇「ヘイトフル・エイト」は「ニガー」という差別用語が多発するので作品賞にはノミネートされなかったが、3時間近くを飽きさせない力の入った娯楽作品である。タランティーノ自身が「最高傑作だ」といっているようだが、頷ける。