アメリカ大統領選指名争いのヤマ場「スーパチューズデー」の結果が出始めた。トランプ氏がここで勝利すると、共和党の大統領候補になる可能性が強まる。共和党内部からも「国が亡びる。選挙ではクリントンに投票しろ」という声まで出ていて、メディアも「トランプでは危ない」と心配し始めた。
飲み屋の酔っぱらいオヤジの与太話
「トランプを止めろ!」(ワシントン・ポスト)、「トランプの『タワー』を破壊せよ!」(ニューヨークポスト)と書き、YouTubeには共和党の反トランプ派が作った「増税を訴えているのはトランプです」という動画や、人気ドラマにトランプの演説を組み合わせた批判動画も流れている。
しかし、トランプはそれらを意識的に無視している。おととい29日(2016年2月)のバージニア州の集会でも、イスラム系のデモが押しかけると、演壇から大声で「出て行け!」と叫んでいた。「彼らは私を大統領と呼んでいる」と余裕たっぷり。黒人が多いジョージア州では、人が集まりすぎて会場を競技場に移すほどの人気だ。
CNNの調査では、党員のトランプ支持は過去最高の49%で、ルビオ氏の16%、クルーズ氏の15%を大きく引き離している。上智大の前嶋和弘教授は、人気の秘密を「話が天才的にうまい。TV司会者、それもコメディアン的」「演説の内容が飲み屋の雑談レベルで、政府への不満を吸い上げる」と分析した。
本選指名されたらがらりとキャラ変え!オフレコでは「移民に厳しくしないよ」
このトランプ現象を、デーブ・スペクター(テレビプロデューサー)が斬ってみせた。トランプ関係の本は何冊かあるが、塗り絵の本とか「トランプに投票すべき50の理由」「自伝・どうやって金持ちになるか」など、他愛ないものばかりだという。猫にトランプの髪型を作ったりもある。
デーブ「いまは面白がっていますが、本選になったら、トランプ氏は変わってきますよ。いま言ってることも本音じゃない。作ってるんです。ニューヨーク・タイムズにも、オフレコで『移民に厳しくなんかしない』としゃべっているんです」「日本を攻撃してるが、日本を嫌いじゃない」「政治経験がないから、公約を実現するノウハウもない」
司会の小倉智昭「本選で前ニューヨーク市長のブルームバーグが出ることもある?」
デーブ「過去に(無所属立候補は)ないわけではありませんが、勝てないし、邪魔、迷惑なだけ」
7月の党全国大会(候補指名)に向けて、これからCMが始まる。
デーブ「候補者同士の1対1の討論になったら、ブルームバーグはヒラリーに負けます。ただ、バリバリのニューヨーカーだから、舌戦には強い」
小倉「4年に1度。どうなってんだと言い続けている」
深澤真紀(コラムニスト)「まさか女性と不動産王が対決なんてね」