「もうあかん やめます!」と39年続けてきた大阪市北区の名物靴店「靴のオットー」が先週土曜日の20日(2016年2月)、「ほんまの、ほんまの店じまい」と閉店した。半信半疑できのう22日、リポーターの阿部祐二が店を訪れてみると、「あれ?開いてる。開いてますよ」。店員らしき人影もちらつく。
常連客たちも「以前もやめへんかった」「ギャグでやってほしい」
「靴のオットー」は1977年の創業で、はじめは冗談のつもりで「店じまい売りつくし」を客寄せにした。バブルが崩壊し、すがる思いで本当に「もうあかん」と訴える垂れ幕を掲げたところ、「おもろい店だ」と客足が増え、これに味をしめて閉店セールがトレードマークになった。
だが、店主の竹部浅夫さん(74)の体調が悪化し、ついに閉店を決意。大勢の客の前で「ほんまに雨の中、ありがとうございます。おおきに、おおきに」と涙のあいさつをした。報道陣に「本当の本当にやめますか」と聞かれると、「もうこんなところでウソはつけまへん」と笑顔で答えた。
客の中には「(本当にやめるかどうか)いやあ、どうでしょうか。だって、前もやめると言ってやめへんかったもん」「ギャグでやってほしい。後継者出現とか」と疑う人が多かった。客にアンケートしたら、「閉店するだろう」が36人、「閉店しなのでは」が73人だった。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト