ハリウッド俳優ジョニー・デップが、大統領選挙で渦中にある共和党候補のドナルド・トランプ氏の若き日に扮してパロディ映画を作った。これが動画サイトで6日間で280万回ビューという大ヒットになっている。タイトルは「Funny or Die」で、デップは独特の髪型、ふてぶてしい態度と、とにかくそっくりなのだ。
トランプは大統領選に名乗りを上げてから、「アメリカを再び偉大な国に」「イスラム教徒を締め出せ」「中国、日本を貿易でやっつける」など過激な発言が話題となり、いまのところ共和党候補で支持率トップを走っている。こうしたトランプにハリウッドでは批判の声が広がっていているのだ。
独特の髪型、ふてぶてしい言動そっくり
映画ではスターウォーズの怪物のようなのが登場して、「彼は色男の不動産王だ。彼は決して人種差別をしない」と語り、デップのトランプが「私が愛しているのは、宇宙人の君だけだよ」と言ったり、ラップで「解決できない問題は、銀行家、居住者、配偶者であっても、訴えろ!訴えろ!訴えろ!」と叫ぶ。
司会の小倉智昭「これ、大統領選挙がらみでしょう」と心配そうにいったが、選挙の最中にこんなものを作ることも許されるのがアメリカだ。
デーブ・スペクター(テレビプロデューサー)「これ、1980年代のカラーを使って昔の映画みたいに作って、埋もれていたのが発掘されたと称している。ジョニー・デップは喜んでこれに出演して、たった4日間で作ったんだそうです。全編で50分。全部見たけど面白いよ」
映画の中身は、トランプが80年代に書いてベストセラーになった「The Art of Deal」という本をもとにしている。不動産取引の交渉術などを披露したものだが、これを逆手にとってパロったわけだ。
ハリウッドでは徹底して嫌われている暴言成金
トランプが苦手という俳優は多く、「外国人嫌いなヤツ」(妻が外国人のマット・デイモン)、英国から国籍を変えたエミリー・ブラントは「市民権の獲得は大きな間違いだったわ」と皮肉っている。歌手のアデルは選挙のキャンペーンで「私の歌を使わないで」と語っている。
デーブ「これからどうなるか。アメリカの有権者は(トランプは)面白いけれど、大統領になったら困るという複雑な気持ちになっているんですよ」
キャスターの菊川怜「面白い映画を作るもんですね」
小倉「ブルムバーグが出るというのはあるの?」
デーブ「彼が出たら、ヒラリーさんから票を奪うから邪魔者になる」
まあ、トランプ旋風もどこまで持つか。来月1日(2016年3月)のスーパー・チューズデーで終わりかも。