「甘利事務所が補償額交渉に深く関与した。その成功報酬かごとく車をねだった証拠が出てきていますよ」
甘利明・前経済再生相が現金を受け取っていた問題で、民主党の大串博志議員は16日(2016年2月)の衆院予算委員会で、口利きを依頼した建設会社の総務担当者・一色武氏と甘利側の元秘書Aとのやり取りを記録したとされる新たな録音データを公表した。別の秘書が一色氏に高級車のレクサスを要求したとも取れるくだりもある。
建設会社元総務担当者「カタログを持って来てよ」
一色氏は「これでUR(都市再生機構)の方がまとまちゃうと思うんで、○○さん(元秘書B)からレクサスでしたっけ?」と述べたあと、さらに「カタログを持って来てもらわないと、ご本人が全部オーダーしなきゃいけませんからね」と話している。これに対し元秘書Aは、同僚の元秘書Bに「一色さんがレクサスは何色がいいかって聞いているよ」と連絡を取っていた。
大串議員は「レクサスでも大きなやつで、調べたら1600万円もするんですよ。利益をおねだりするかのごとき証拠が出てきております」と追及した。
甘利前大臣「睡眠障害」で自宅逃げ込み
民主党は甘利前大臣と元秘書らの証人喚問を求めているが、自民党は「甘利前大臣から睡眠障害で1か月の自宅療養が必要という診断書が出ている」としている。龍崎孝(TBS解説委員)はこう批判する。「新たな情報が次々と国会で示されています。その内容が事実とするなら、国会議員の秘書が取るべき行動から逸脱しているものばかりですよ。病気療養というやむを得ない事情があるにせよ、甘利氏の説明責任は免れません。自民党は元秘書の証言の機会を設けるべきだし、それが政権政党の責任ある姿です」
文
モンブラン