北朝鮮はきのう7日(2016年2月)朝、長距離ミサイルを発射した。1段目、2段目を切り離しながら沖縄県の上空を通過して、最終的には宇宙空間に達したとされる。当初、発射は今月8~25日としていたが1日前倒しだった。狙いはなんだったのか。
アメリカ大統領選向けアピール
発射の速報が日本で流れたころ、北朝鮮中央テレビは11年に死亡した金正日総書記の功績をたたえる番組を放送していた。発射から1時間半たった午前11時ごろ画面が突然切り替わり、重大発表にいつも登場する李春姫(リ・チュニ)アナが現れて、国民に放送に注目するように呼びかけた。1時間以上たった12時半ごろ、李アナが「宇宙観測衛星」の打ち上げを報じた。
司会の加藤浩次「1月に核実験をして、きのうはミサイルです。発射を予定より繰り上げた理由は何だったのですかねえ」
早稲田大学の李鐘元教授は「手段が少ないなかで、最大のサプライズ効果を狙った」と話す。アメリカ全域にとどく核ミサイルの開発が進んでいることを見せつけ、無視するなと伝えたという解説だ。「アメリカの大統領選挙に合わせて、自国に振り向かせようとする強烈なアピールです」
中国は制裁に二の足
国連は緊急安保理事会を開き、米国が「安保理決議に違反する」と強く批判した。しかし、中国は制裁に慎重で、どこまでの対策が打ち出せるかはどうもこころもとない。
李教授によると、北朝鮮と1400キロの国境を接する中国は、金正恩政権を崩壊させたくはないため、本格的制裁は難しいという。「対処には悩んでいると思いますよ」
北朝鮮に対しては、当面は押したり引いたりしながら出方をうかがうしかないのだろうか。