昨年2月(2015年)、川崎の多摩川河川敷で中学1年の村上亮太さん(当時13歳)を殺害した少年(19)の第3回公判がきのう4日(2016年2月)に横浜地裁で開かれ、加害者と被害者の両親がそれぞれ意見を陳述した。
検察側は懲役10年以上15年以下の不定期刑を求刑した。弁護側は同じく5年から10年を求めた。裁判はこの日で結審し、判決は10日に言い渡される。
被害者母親「犯人に言いたいことはひとつ、亮太を返して欲しい」
加害少年の父親はこう証言した、「もっと相談に乗ればよかった」「口数が少ないので、問題があれば全部うちらに言ってくれればよかったのにと思います」「やったことは深く反省してもらいたいです。できることはサポートしたい」
被害者の亮太さんの父親はこう語った。「亮太を失った悲しみを忘れることはありません。一生この悲しみを持って生きていかなくてはいけません」「亮太を殺した犯人たちを一生恨み、憎み、許すことはないでしょう」「亮太と最後に会ったのは去年の1月2日でした。川崎のいつも行く回転寿司屋で、美味しそうに食べていた姿がまだ目に残っています」
その翌日に事件は起こる。「亮太は寒い部屋で、顔に白い布をかけられていました。気の小さい子が抵抗するなんて無理です。我慢すれば許されるかもしれないと思い、真冬の川で泳がされても、カッターで切られても、コンクリートに頭を打ち付けられても、生きるために我慢していました。しかし、犯人は無慈悲にも命を奪いました」
「どんなに痛かったか、寒かったか、怖かったか。私は絶対に許しません。犯人にも亮太と同じ恐怖と苦しみを味あわせてやりたい。できることなら、自分のこの手で亮太の敵をとってやりたい。犯人の『反省』は信用できません。亮太を『忘れずに背負っていく』と言っていますが、冗談じゃない。亮太の命は犯人に背負えるほどちっぽけなものではありません」
続いて母親が立った。「亮太はいつも『ママ』『ママ』と言いながら、私の周りをちょろちょろして・・・。可愛くて仕方ありませんでした」。亮太さんは43か所も切られていた。「寝ているようでした。顔にはテープが貼ってあって、鼻やおでこに傷があり、(警察官に)『体は?』と聞くと、『見ないほうがいいと思います』と言われ、涙が止まらなくなりました」「犯人に言いたいことはひとつ、亮太を返して欲しい」
判決は10日。検察側「懲役10年以上15年以下」、弁護側「5~10年」
司会の小倉智昭「少年の裁判で加害者と被害者の親が法廷に顔をそろえるというのは、滅多にないことですよね」
森本さやかアナ「母親は泣きじゃくるような状態で話していました」
小倉「裁判では、何があったか事細かく出てきますからね」
中瀬ゆかり(新潮社出版部長)「残虐で聞いていられないような犯行ですよね。それを聞いたご両親がどんな気持ちだったか。『簡単に背負っていく』なんて言われたくないと、すごくわかってつらい」
小倉「裁判員にとっても悩ましいですね」
ショーン・マクアードル川上(経営コンサルタント)「少年法の刑罰より更生という精神も、背後にある家庭や家族、学校、社会がもう少し気づかないといけないと思います。社会責任とのバランスが崩れている」
笠井信輔(ニュースデスク)「その意味で、家族の生の声というのは意味がありますね」
どんな判決になるのか。注目したい。