きのう31日(2016年1月)行われた大阪国際女子マラソンで、福士加代子選手がぶっちぎりで勝った。2時間22分17秒は日本陸連のリオ五輪派遣設定記録を13秒上回る。
福士はゴールに入った途端に振り返ってタイムを見た。ガッツポーズが出た。自己最高記録。設定記録を破ったのは野口みずき以来9年ぶりだ。監督が駆け寄った。大口を開けて喜びを表すが、半分は泣き顔だ。「やっととったよ、一等賞」とマイクに叫んだ。そう、8年をかけてやっととったのだ。
30キロ失速のトラウマ克服
福士がマラソンに挑戦は08年の北京五輪出場選考会だった。1万メートル代表のスピードを生かした独走態勢だったが、30キロすぎから失速し、脳貧血を起こして4度も転倒しながらフラフラでゴールする映像が残っている。ロンドンを目指した4年前も30キロ付近から失速した。重圧で食事がとれなかったためだった。
この日も高速のペースメーカーが30キロまでついた。これでロンドン五輪代表の重友梨佐選手ら有力選手が脱落していった。福士は監督、栄養士と食事をしっかり管理した。スタート前に丼飯を食べていた。練習法も変えた。30キロ過ぎのトラウマも克服した。ペースはまったく落ちなかった。2位に6分もの差をつけての独走ゴールだ。
「(故郷の)青森は(中継局の)フジテレビ入らないんで」「おじいちゃん、おばあちゃん、おめでとう、とったよ」と叫ぶ。続けて「リオ決定だべ! あははは、よろしくお願いしま~す」
代表最終選考は3月
司会の小倉智昭「普通、リオ決定だべなんていったら、陸連が怒りそうだが、福士の場合はいいのかも」(笑)
代表決定は3月の名古屋ウイメンズを経てからになる。
小倉「マラソンでどれだけ期待されているかは、彼女が一番知ってるから、本当の意味で力でねじ伏せて勝ったのが嬉しかったんじゃないですかね」
福士は「目標はリオで金」と当たり前のようにいった。