長野県の温泉地で150本以上の木が倒れて道路をふさぎ、住民や宿泊客ら270人が孤立した原因は、アカマツやカラマツの枝にびっしりと張りついた氷の重みによる「雨氷」(うひょう)という現象だった。
上空と地表の気温が0度未満に冷やされ、その間に温かい空気が流れ込むと、落ちてきた氷は途中で雨になり、それが地表付近で再び氷になる。こうなると木々の枝は透明な氷で覆われてしまう。これが高さ120メートルもの大木にびっしり付き、重さに耐えられなくなったのだ。百瀬久村長は「想定外の被害でした」と話す。
枝の5~7倍の重量
司会の加藤浩次「雪のためかと思ったら氷なのですね。一見きれいだけど、すごい映像です」
現場を取材している阿部祐二リポーターが手にした雨氷は、石のようにバリバリ、カチカチだ。長野県では18年前も倒木被害が出たが、この時は枝の5倍から7倍の重量の氷が付着していた。対策は木を伐採するしかないという。
松本市の扉温泉にある旅館の女性スタッフによると、午後6時すぎからの夕食の最中に停電になり、ロウソクを灯し、まきストーブで暖をとった。「お客さまには90歳のおばあさんや臨月の女性、3歳の子供もいました」
バスが入れないため、翌日に全員が2キロ歩いて避難した。
文
あっちゃん| 似顔絵 池田マコト