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世界40か国で翻訳され、シリーズ通算3500万部を売り上げるイギリスのベストセラー児童文学「パディントン」の映画化である。ハットを被り、言葉つかいや佇まいは英国紳士だが、正体はモフモフの毛に覆われた小さなくまだ。そのパディントンとある家族のハートフルドタバタコメディー。
家族や恋人と見たいハートフルなハッピーエンド
家族旅行からロンドンに戻ってきたブラウン一家は、駅で言葉をしゃべる奇妙なクマに出会う。リスク管理を仕事とするお父さんは見なかったことにしようとするが、童話の挿絵画家の妻は放っておくことができない。一晩だけという約束で家に連れて帰る。こうして夫妻と反抗期真っ盛りの女の子、宇宙飛行士になるのが夢の弟、ベテラン家政婦の5人と1匹の生活が始まった。
CGを駆使してパディントンが本の挿絵そっくりに再現されている。前半は思わずにやりとするドタバタが散りばめられている。問題は後半である。原作は1話完結の体裁をとっているため、映画に脚色するためには山場を作る必要がある。ニコール・キッドマン演じる謎の美女がパディントンを誘拐するのがそれに当たるわけだが、その目的も動機もがよくわからない。
ブラウン一家によるパディントン救出という大団円への持ち込み方も強引で、後半は見るのが苦痛だった。
まあ、理屈を言って見るような映画でもなく、95分という短めの尺で分かりやすいハッピーエンドが待っているので、家族や恋人と気楽にご覧ください。
野崎芳史
おススメ度☆☆