福島県下郷町の小学校と中学校で先週21日(2016年1月)、給食に出たサンマのすり身を食べた児童・生徒ら87人が食中毒の症状を訴えた。すり身は消費期限を5か月も過ぎていた。出荷した業者の担当者は「自分で味見をしたら大丈夫と思った」と話している。
納入業者ラベルはがしてごまかし!「冷凍すれば長く持つ」
給食に出されたのはサンマのすり身を味噌と薬味で味付けして、ハンバーグのように焼き上げる福島県いわき市の郷土料理「さんまのぽうぽう焼き」だった。給食後、子どもたちは唇がかゆくなったり腫れたり、舌がビリビリするなどと訴えた。すり身には食中毒の原因のヒスタミンが検出されたが、幸いに大事には至らなかった。
この食材を出荷したのは会津市の若松魚類で、去年8月27日(2015年)に岩手県の加工会社から仕入れ、消費期限前日にラベルをはがしてそのまま冷凍保存した。そして約5か月後の今月21日に出荷した。
若松魚類の担当者は勤続20年のベテランだが、「冷凍にすれば長く持つと思っていた」といっている。社長は「1つの商品を1人の担当者が仕入れから販売、在庫管理までやっていたのでチェックできなかった」と弁解する。若松魚類から購入した食品販売会社もラベルをはがしてあったのに気付いていなかった。
20年前からやっていた?
司会の小倉智昭「冷凍しておけば大丈夫と思っていた担当者が勤続20年のベテランということは、裏返せば、20年やっていたということですね」
中江有里(女優・作家)「消費期限切れでも自分の家で食べる人もいるかも知れませんが、ラベルをはがしているのは隠蔽したことで、それを子どもの給食に出荷するとは・・・」
笠井信輔(ニュースデスク)も「冷凍ビーフの廃棄食品の問題もあり、いろんなところで食品の安全がおろそかになっていることが浮き彫りになりましたね」と憤慨した。