芸能界・舞台の古い慣習に一石
著述家の湯山玲子「目標に向かって一緒に努力し作り上げていくものでなければいい舞台はできないですよ。そもそも、それが最初から薄かったと思います。彼女も役者としての責任はあった」
ロバート・キャンベル(東京大教授)がこんな指摘をした。「湯山さんは厳しいことをおっしゃったが、芸能人が舞台に立つのは一人、自分なんですね。意に添わなくてこの舞台に立つべきじゃないと思ったとき、なかなか信念を貫くことはできないですよ。
日本はプロダクションとか事務所の力が強くて、一人で信念を貫くのは難しい。彼女が勝訴したことは、彼女だけでなく、いろいろな職場のなかで自分はどう表現するか勇気を与え、ちょっと変わり目になるかなと僕は思いますよ」
甲斐としても意地があるのだろうが、裁判で今後どんなに頑張っても、こうも冷静さを欠いていては役者を使う演出家としては負けだろう。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト